【3月8日マッチデープログラム】 KUFC MATCHDAY PROGRAM 2025 vol.03
鹿児島ユナイテッドFCのマッチデープログラム電子版。
今回は3月8日に行われる2025明治安田J3リーグ第4節、鹿児島ユナイテッドFC vs ザスパ群馬のマッチデープログラムです。


日程表・順位表・テキスト速報
2025明治安田J3リーグ第2節
vs ツエーゲン金沢 会場:鹿児島県立鴨池陸上競技場(白波スタジアム)


2025明治安田J3リーグ第3節
vs SC相模原 会場:相模原ギオンスタジアム(神奈川県相模原市)


藤嶋栄介 選手コメント(3月4日トレーニング後の共同会見より抜粋)

ここまでホームで2試合勝てていなかったので、アウェイで勝てたところで雰囲気もすごく良くなっていますし、トレーニングもいい雰囲気で取り組めています。
前節無失点で抑えられた要因
監督が試合前から、自分たちは前線からボールを取りに行くぞと言われていました。
選手全員がそれを意識して一生懸命走って、奪いにいった結果が無失点勝利につながったと思います。
後ろから見た全体の守備
相手にずらされる場面はあっても他の選手がカバーしたりして、自分たちが守備をしっかりがんばることを体現できていました。
構えていても、あまりピンチという場面はなく安心して守れました。
久しぶりに出場したリーグ戦
リーグ戦の出場は4シーズンぶりでしたが、公式戦としては天皇杯とかで出場はあったので、慌てることもなく、いつもいい準備はしていたので、いつ出番が来てもいいパフォーマンスは出せると思っていました。
ベテラでもありますので。
自分が慌てていたらチーム全体が慌ててしまいますし、そういったところでしっかり構えて自分のいつもどおりのプレーができたらと思っていて、そのイメージ通りに試合に入ることができました。
GK3人の雰囲気
本当にバランスが取れています。
(山内)康太が元気がよくて、くま(熊倉匠)は真面目で、僕はその2人を見ながらうまくバランスを取れればという感じです。
コーチとの関係性もすばらしいですし、キーパー陣がいい関係性のチームは自然とチームの雰囲気も良くなっていくことは長く選手をやっていて感じているところです。
そういうところも含めて、みんなのバランスも見ながらうまくやっていければと思います。
無失点で得た手応え
決定的なチャンスは相手にそこまで作られていませんが、簡単にボールを失って相手にカウンターのチャンスを与える場面がありました。
ボールの失い方、ボールの持ち方で課題が出た試合だったと思います。
無失点で終えられたのは全員が走って守備をしたことが要因だと思いますが、その簡単なボールロストをなくしていかないと相手にチャンスを作られる場面が増えると感じています。
同時に、相手にチャンスを作る時間すら与えないサッカーをやっていきたいところです。
自分たちのやりたいサッカーは前線からボールを奪いにいくサッカーですが、相手から奪ったボールを相手にすぐ渡してしまうとカウンターの餌食になります。
そこでマイボールにしてつなげると、相手のチャンス自体が少なくなるので、そういったところを目指す必要があると感じています。
前半終了間際の1対1を防いだ場面
1対1になった瞬間、相手の状況的にシュートは入らないと感じていました。
相手のいる位置的に簡単にシュートを決められる角度ではなかったのですし、バタバタせずに自分の待ち構える位置をしっかりして先に動かなければ、まず間違いなく入らないだろうと感じていました。
うまく相手を良いコースに誘導できたと感じています。
1対1の守備は自分の強みなので、抜けられた瞬間もそこまで慌てることなく、自分の間合いに持っていくことだけを考えていました。
そういったところで長所を出せたことは良かったです。
早めにボールを動かしていた意図
ボールを動かして、相手を動かしたいという狙いが僕の中であります。
誰かがずっとボールを持っているよりはボールを動かして相手を動かして、スペースを生み出していくのが、ここ2試合見ていて少ないと感じました。
1人1人がボールを持ちすぎていて、スペースができないまま、あまり攻撃にリズムが生まれていないと感じていました。
僕が入ったからというわけではありませんが、どんどんボールを触ってボールを動かすことは自分から意識してやっていこうと思って入っていったので、うまくいったと思っています。
レギュラー定着に向けて
常にいい準備をし続けることがゲームにつながります。
やることは変えず、自分自身で自問自答を繰り返し、チャレンジを繰り返すことがゲームにつながると思っています。
毎日それを繰り返すだけだと思っています。
群馬戦で必要なこと
前からいく、という自分たちの軸をぶらさないことです。
1人がサボるとこのサッカーはほころびが出るサッカーなので、僕は後ろから見ていて、休ませないこと、コーチングで動かすことが重要になっていきます。
一個一個のプレーに対して全員が連動して関わっていくことができれば、守備面も攻撃面も良くなり、おのずとチャンスは生まれてくると思っています。
監督がおっしゃるようにチームは生きもので変わっていくものなので、毎回同じサッカーはできませんが、自分たちのベースを全員が意識して取り組んでやっていけば、それが勝利につながると思っています。
ホーム初勝利に向けて
まだホームで勝てていないので、ホームで勝利を届けることと、自分自身は失点をさせないことにフォーカスして、ゴールにカギをかけることを意識してやっていきたいです。
それが結果として勝利につながればうれしいです。
なによりまずサポーターの皆さんに勝利を届けたいと思っています。
ンドカ チャールス 選手コメント(3月4日トレーニング後の共同会見より抜粋)

SC相模原戦を振り返って
開幕と2試合目を勝てていなかったので、まず1勝できたことは大きいと思います。
前からプレスをかけて相手に時間を与えないことをチームとしてやっていました。
前半風の影響でなかなか自分たちのボールにする時間がありませんでしたが、そのプレスは狙ったようにかけられて、相手に自由にプレーさせないことをできたことは良かったです。
ゴールの場面を振り返って
前半からプレスをかける守備をしていて、それを続けたことであそこにボールがこぼれてきたのだと思います。
思い切り振り抜いたら決まりました。
また出場のチャンスが来たら、その試合の中で結果を出したいと思っています。
3試合を終えて感じる昨シーズンとの違い
やっぱりみんなスタメンもベンチも、メンバーに入っていない選手も練習からひたむきにやれていて、誰が出ても変わらないプレーができると感じています。
個人としての手応え
FWとしては、また日々のトレーニングでアピールすることが大切です。
僕自身去年と比べてコンディションもいいですし、体力面での強化にあたっているので、前からプレスをかけるということを自分の持ち味として出せています。
そのなかで自分たちのボールの時間を作れるように前線でキープしたり、背後に抜け出すことを意識したいです。
得点を増やすことについて
まず自分のできること、チームに与えられる役割は、前からプレスをかけて後ろの選手たちを楽にすることです。
さらに苦しい時間帯ではボールを受けて基点を作ったり、背後に抜けることを繰り返しながらゴールのチャンスがあればこの前のようにモノにしていきたいです。
次節に向けて
まずトレーニングからしっかりアピールしてスタメンで出られるようにしたいです。
またホームで勝てていないので、勝利を必ず届けられるようにがんばります。
群馬戦に向けてのポイント
相手どうこうというより自分たちが試合の中で走って相手に時間を与えないことだったり、もちろんこの前のようにFWが結果を出せばチームは勝てます。
守備も含めてゼロに抑えてくれたので、そういったことをめざしてやり続けるだけだと思います。
コラム「鹿児島をもっとひとつに。vol.39(Total vol.51)」
有村みなみ さん(株式会エヌ・ケイ・カスタマイズ IT事業部カスタマーサービス課)

国道225号線に面した事務所に入ると、まず嗅覚に伝わるのはコーヒーの豊かな香り。
3年前に久保健一郎 代表取締役のお話をうかがうために初めておじゃました3年前から、かなりスタッフが増えているのもひと目で分かります。
お迎えしてくれた有村みなみさんの所属は「株式会社エヌ・ケイ・カスタマイズ IT事業部 カスタマーサービス課」。
今回のスペシャルマッチの名称にもなっているリユースPCを中心に扱うサービス「Re’sPC(リズピーシー)」などを担当されていますが、、、ユナイテッドサポーターにとって特に注目すべきは、4月にJR喜入駅内にオープンを予定しているカフェ施設の担当が有村さんというところです。
「なぜIT企業がカフェ?」の疑問はさておき、「なぜ有村さんが?」の疑問については「喜入出身だから」でほぼ説明はつくでしょう。
ということで3年前に久保さんの深くて濃いユナイテッド愛をお届けしましたが、今回はその久保さんのもと、エヌ・ケイ・カスタマイズに務める有村さんのお話です。

スペシャルマッチスポンサーはスタジアムの中心でユナイテッド愛を叫ぶ
喜入で生まれ育って
ひと口に喜入と言っても北は瀬々串から南は生見まで6校区に分かれていて、有村さんは喜入の練習場「ユニータ」から南へ車で5分10分ほどのところにある前之浜に生まれました。
児童数約60名の前之浜小学校を卒業すると、喜入6校区の大半がそうであるように喜入中学校へ。
前之浜駅から喜入駅の便で通学しますが、便数は1時間に1本2本なので、乗り遅れるとかなりの待ちになってしまいます。

「部活はバレー部だったんですけど、前之浜組と生見組はそれに乗るから30分早く上がるとかしていました。そこは先生も理解してくれていて、多分学校としても決めていたんだと思うんですけど、でも今考えるともったいない、なんで地域が違うだけ練習時間が削られてって思っちゃったりもしますけどね」
思わず苦笑いですが、当時はそこまで考えていなかったというあたりが、有村さんのいい意味でのんびりというか前向きな人柄が現れています。
練習時間が短い問題はさておき、喜入と山間部の一倉をのぞく瀬々串、中名、前之浜、生見4校区の生徒にとってJR喜入駅は今も変わらず通学の拠点です。
そして中学校を卒業すると、流川楓のように「近いから」と選べるような高校自体が喜入にはないため、みんな鹿児島市街地や指宿市の高校に進学して電車通学です。
有村さんは谷山にある鹿児島南高校の普通科に進学。
前之浜駅から谷山駅への直通では登校に適した時間帯がないため、親御さんに喜入駅まで送ってもらって喜入発の便で通学。

「今も忘れない6:24喜入発。もっと早いのもあるんですけど、みんなと合わせるために6:24発に乗って、それで学校では卓球部に1年間属して。妹と弟が小学校のクラブ活動と中学校でも卓球をやっていて、その影響で。下の影響ってよく分かりませんが笑。(南高校は)バレーは強いから諦めていたんですね」
それでも高校からでもスポーツをやってみようというのが、「とりあえずやってみよう」の精神を感じられます。
しゃべっていて有村さんからガツガツした雰囲気は全然感じられないのですが笑
高校を卒業して、電車通学の6年間が終わり、小学校の教員を目指して宮崎大学に進学します。
ここでも最初は専門として英語科に入ったはずがあぶれて、、、なぜか楽譜も読めないピアノも弾けないなかで、声楽のほうで音楽科に入り、そのままがんばってやり切って卒業します。
結局、教員になることはなく、一度オーストラリアのパースに3ヶ月留学してからは「楽しかったけど日本がやっぱりいいな」と実感して、前之浜に帰ってきて、事務や量販店の店員などの仕事をしていました。
そうした日々の中で、鹿児島ユナイテッドFCと出会います。
中原秀人にハマった、広瀬健太にもハマった

2019シーズン、はじめてのJ2開幕戦となる徳島ヴォルティス戦。
それが有村さんがはじめて現地で観た鹿児島ユナイテッドFCの試合でした。
「ミーハーなので、J2上がりましたのタイミングで。その前から田上さんとか赤尾さんとかはなんとなく知っていましたけど、もともとスポーツを観るのは好きなので、行ってみるか、くらいの感じで」
ご存じの方も多いでしょうが、初観戦者にとってはかなりハードモードな環境でした。
「もう土砂降りのなかで一応カッパだけは着ていったんですけど、もうびしょびしょになりながら母といっしょに聖火台の下ぐらいで観ていて」
ただ試合内容は最高のひと言。
前半0-0から、後半は徳島相手に取って取られての壮絶な打ち合いになります。
3-3で迎えた終了間際、左サイドから入ったクロスがこぼれたところを冷静に押し込んだのがキャプテンマークを巻いた中原秀人!
1点目のお膳立て、2点目もこぼれ球を押し込み、決着をつける4点目もみずから決める活躍ぶりに有村さんはすっかり虜になったのでした。

以降もFC町田ゼルビア戦やFC岐阜戦なども観に行っていた有村さんですが、このシーズンが終わり、コロナ禍になるとスタジアムから遠ざかっていきます。
それが変わったのが、2022シーズンでした。
喜入在住者が2022シーズンから、、、となると2021年10月から、喜入に整備された練習場ユニータで活動するようになったから!と思いきや、それは決定的な要素ではないようです。
「あのシーズン、もちろん勝ち試合も多かったけれど、個人的にはYouTubeとかで選手の面白さが見れたのが今振り返ると大きかったですね。
それこそ母の影響かもしれないけれど、母が広瀬(健太)選手が好きで、ほかにも色々な選手が好きで。私はまあ別に“ヒゲ”みたいなのはともかく、有田(光希)選手とのかけあいとか、おもしろいのがすごく好きで。
それで試合になると相手からのボールが裏に抜けてきたときとかに1対1で見せるあの走りとかめっちゃ好きになって、結局キャラクターだけじゃなくてプレーも好きなんだなって後から気づいて」
プレースタイルは中原秀人選手とだいぶ異なります。
「なんかあのちょこちょこ常に動いている感じがカッコいいというより、かわいいですよね笑。去年も出たときは“やっぱりこれだよな”みたいな中原さんでないと出せないようなパスがあって」
有村さんは1stユニフォームに中原選手の35番、2ndユニフォームに広瀬選手の4番を入れて、2019シーズンよりももっと頻繁にスタジアムに通うようになっていきます。
とはいえ、ユニータに行って写真をいっしょに撮るとかサインを求めるとかはなく、スタジアムの観客席から眺めて愛でて、という推し方です。
県内外各地からユニータへ足を運ぶ方々からは「せっかく喜入に住んでいるのに!」案件かもしれませんが笑

この時期は大学で事務の仕事をしていて、徳重剛クラブ代表による特別講義が行われるのを聞いたりして、様々な形でユナイテッドとの関わりが深まっていきました。
前述の通り、練習場ユニータが喜入にあります。
「もともとあそこにあった広場って夏祭りの時に駐車場になっていて、そこから花火を見るところだったんです。最初は“それができなくなるんだ”みたいな感じだったんですけど、今となっては当たり前になってきて。
今は選手が乗る車を見かけることがあって、“がんばれ”って思っているのが不思議でもあり」
喜入を出ようとか思うことはなく、鹿児島市街地が選択肢に入ることはあっても、鹿児島県から出ていくという考えはまったくなく。
そして2024年、有村さんの人生は大きく変わることになりました。
エヌ・ケイ・カスタマイズに就職

2024年、鹿児島市の委託事業として鹿児島ユナイテッドFCが行った「喜び入るまち」ブランディング事業のワークショップに有村さんは参加しました。
「その前くらいに色々なアンケートをユナイテッドさんが出してくれたりとかしていたんですよ。それで地元喜入がどうたこうだというのを観ていて、なんか自分ももっとこうしたいなとか欲があって、ちょうどのそのワークショップの募集があったので、ざっくりやりたいなって思ったので、後先考えずに一旦入ろうみたいなスイッチが入りました。大体は腰が重いんですけど笑」
それからもユナイテッドの応援を続けていた春から夏頃にかけて、2020年から常駐の駅員がいなくなっていた喜入駅にカフェのような施設を作ろうという動きがある話を知り、ちょうど前職を辞めていた有村さんは興味を抱くようになっていきます。
「最初は平日は別でなにかしらで働いて、土日に本当にボランティアで参加したいくらいの勢いだったんですけど、喜入ということでユナイテッドも絡むかもしれないということで店員としてやってみたいと思いはじめて」
やがて鹿児島ユナイテッドFCのオフィシャルスポンサーでもある「株式会社エヌ・ケイ・カスタマイズ」が喜入駅テナントの運営に対して(なぜかIT企業が)前向きに考えているという話を知り合いから教えられます。
エヌ・ケイ・カスタマイズとしても地元喜入の若者ということで興味を抱き、面接して、就職に至りました。
「会社自体は去年の3月24日のスペシャルマッチで知っていて。土砂降りの試合だったのも覚えていますし。まさかそこに入ることになるとは思いもしなかったですね」
2人の退場者を出し0-4と敗れる中でも闘い抜いた横浜FC戦は2024シーズンでも印象深い試合です。

それにしてもIT企業がなぜ喜入駅に興味を持ったのかですが、そこには大きく2つの想いがありました。
ひとつは、会社として地域と関わる事業に踏み出すこと、それをユナイテッドととも縁が深い喜入でやれるということ。
もうひとつは、もともとホテルマンだった代表取締役の久保さんだからこそ、接客業やtoC事業に挑戦したいという想い。
「想いだけで突っ走っている感じですよ」と久保さんは笑います。
ちなみにエヌ・ケイ・カスタマイズの採用方針を久保さんに聞いてみると「事務所のなかで隣や向かいの同僚たちとコミュニケーションを取りながら仕事をしているイメージが浮かぶかどうか」が重要な要素だそうで、最初聞くと「?」となりますが、社員同士の仲の良さが感じられる雰囲気を見ていると納得です。
それではIT企業らしいスキルはどうなのでしょう?
「技術は仕事をしながら身に付けられるものなので。経験者が急ぎで必要だったので採ったことはありますが、普段は採用を考えるうえで重要なものではありません。ありがたいことに(求職転職サイトなど)に費用を投じることはなく、応募してきてくれていますし、ユナイテッドのスポンサーと知って応募してくれる人もいるんですよ」
こうして有村さんも普通に面接を受けて就職しましたが、就職当初はまだエヌ・ケイ・カスタマイズが喜入駅に携わると決まったわけでもなく、担当することになったのはリユースPCの販売です。

様々な事業者から「これくらいの予算で、こういうパソコンが欲しい」という依頼を受けて、パソコン卸の事業者を通じて、「こういうパソコンがあります」と提案をして。
購入が決定したパソコンは初期設定をして必要なアプリを入れて、TeamViewerを入れて納品。TeamViewerとは遠隔操作ができるようにするアプリで、購入者が困った時のアフターフォローでもあり、エヌ・ケイ・カスタマイズらしさが感じられます。
こういった仕事をする一方で、鹿児島市役所が公募した喜入駅の交流拠点整備に関するプレゼンの準備を久保さんや同僚たちと進めていきます。
途中で鹿児島ユナイテッドFCと共同体として公募に参加することが決まり、そして喜入支所で行われたプレゼン当日。
喜入地区全体をすえた横軸として「喜入在住の方々と外から喜入を訪れる方々、喜入旧麓やユニータなどを含めた喜入全体の交流促進」を訴え、過去現在未来の縦軸として「これまでの喜入駅が喜入の人たちにとってどのような意味があったのか」を踏まえて「これからの時代に喜入駅があるべき姿」を描いた有村さんの想いが伝えられます。
それは喜入(前之浜)に生まれ育ち、今も暮らし、これからも生きていく気持ちでいる有村さんならではのプレゼンでした。
その想いが通じて、エヌ・ケイ・カスタマイズを中心に鹿児島ユナイテッドFCが参画する形で、喜入駅の施設を運営することが決まりました。
喜入駅の施設オープンに向けて

施設の運営は決まりましたが、関係者の誰もがほぼ未経験の領域です。
全国フランチャイズのチェーン店であれば何をどうするべきか仕様は決まっているでしょうし、たとえば鹿児島中央駅のように定まったテナントスペースであれば、粛々とやるべきことを進めるだけです。
しかし喜入駅については駅舎のスペースを改装するものであり、エヌ・ケイ・カスタマイズとしてもはじめての領域です。
「なにをしたいのか」だけでなく「なにができるのか」を粘り強く探り、施設のオープンに向けた改装が進められていきます。
久保さんや有村さんに対して申し訳ないほど「粘り強く」だけでは説明しきれないほど様々な課題がある中で、ひとつひとつの事案を乗り越えながら。
2月に工事が終わってスペースの引き渡しがされ、現在は内装を整えたりする段階です。
それもDIYで。
「もう業者さんに頼むのは大きめの展示棚とかシンクとかくらいで。それがいいのか悪いのか、どうなっていくのか分からないですけど。もうなんの会社なんだろうって笑。
でもここで働いている人たちは横のつながりがあって仲が良くて、この前も社員旅行に行ったりしてそういうイベント性も大事にされていて、ひとつひとつ楽しみながら切り替えて業務をできています。
今はパソコンの前にいない時間が多いんですけど、私は動いている方が好きなので、あっているのかなって思いますね」
あまり強めに感情を出すことなく、ぱっと見は文系っぽい雰囲気がありますが、やるとなったらとことん、そして前向きにやり切るという体育会系のノリが有村さんにはありました。
実はもう少し若い頃は喜入出身と言いづらくて「鹿児島市の端のほうで…」というタイプだったそうですが、今では地元愛を全開に走っています。
「最近になってあちこちに新しい家が立ちつつあって、ここを選んでくれた、定住すると選んでくれた人たちがいることがありがたくて、気になって。
前之浜小学校の児童は私がいた頃の半分以下に減っているんですけど、(毎年10月に行われる)6校区対抗の運動会とかの伝統とか横のつながりは残って欲しいですよね。
喜入とか生見は人数が多くて走る競技とか足が速い人が来るんですけど、前之浜はチームワークで勝ったりして、そこはプライドがあるんです。
“緑”は負けられない、“黄”と”赤”には負けられない、みたいな」

瀬々串が白、中名がピンク、喜入が赤、一倉が青、前之浜が緑、生見が黄色。
「喜入駅にもやっぱりファンの方に来ていただきたいですが、鹿児島ユナイテッドFCをごりごりに押していくというよりは、もともとの感じも残して、地元の人たちも気軽に来てくれたらいいなって思っています。
この前も通りがかった中学生が“あ、カフェできるんだ”って言っていたみたいです。下校時の買い食いはできないんですけど笑
今、喜入ってぽつぽつとおしゃれなカフェとかもできていているし、もともとあった菊市さんのような飲食店もあるし、そういったところとも連携して、発信していける場所にしていきたいです。
それから選手が一日駅長をしたり、アナウンスをしてくれたりみたいなこともして!
今は本当に待ち時間が長いので、その待ち時間をゆっくり過ごせる場所にしていきたいですね」

喜入への希望があふれいて、そのオープンに向けて慌ただしいなか、さらに明日の試合はエヌ・ケイ・カスタマイズのスペシャルマッチです。
さらにさらに有村さんが担当する「Re’sPC」が頭につきます。
去年も展示というかPRくらいのつもりでリユースPCを用意していたら、大雨のなかで購入に来たお客さんがいて久保さんたちはびっくりされたそうですが、有村さんは密かに「今年も狙っています笑」。
ということでようやくユナイテッドに話が戻ってきました笑

背番号4を背負って
選手たちにとって避けられないのが、契約満了や引退や移籍に伴う退団。
推したころから30歳前後だったため、毎年末、中原選手と広瀬選手が契約を更新するかどうかは気がかりでした。
そして昨年11月で2人とも契約満了が発表されます。
当然辛いことではありましたが、中原選手は有田選手とともにJFLのラインメール青森FCへ移籍して現役を続けることになりました。
「今はすごくSNS更新をしていて、有田選手のインスタライブにもゲストで出てきて、それを1人で楽しんでいました。ユニフォームも買ったので届くのが楽しみだし、宮崎と大分でのアウェイ戦には行こうかなって思っています」
そして広瀬選手はユナイテッドとの再契約となります。
「もう叫んで喜びましたね。
でしょうが!必要でしょうが!って。
それまで来シーズンの背番号どうしようって悩んでいたんですけど、もうその瞬間決まりました」
背番号4(と9)は有村さんがバレーをしていた頃によく背負っていた番号であり、そういう意味でも広瀬選手は特別な選手です。
ちなみに有村さんが家族とホームゲームに行くことが多いのですが、サッカーに詳しくない友達を誘ったりもしています。
昨年アウェイで横浜FCと対戦した時など、関東に遠征する際も東京在住の友だちに「来てくれ」と誘ったりと「布教」にも熱心です。
「それでハマってくえればいいんですけど、なかなかハマってはくれないんですけども」
結果どうこうではなく、この心意気こそがクラブにとっては大きな財産です。

前節の相模原戦はお母さんといっしょにカフェで見ていて、アンジェロッティ選手が先制点を決めた瞬間に大喜びして、まわりから「うるさいな」の視線を受けてしまいます笑
車で帰りながらの耳観戦ではンドカ チャールス選手が決めて、勝利の瞬間が訪れ、誰はばかることなくお母さんと大歓声!
「アウェイで最後に勝ってから1年以上ぶりですよね?前回が2023年10月29日。中原さんの誕生日だから覚えています笑」

3節目にして今シーズン初勝利をあげましたが、ここまでの3試合で広瀬選手はセンターバックでフル出場して、あらためて自身の価値を証明しています。
カメラを向けられると相変わらずご陽気な人柄なのもうれしい限り。
「今、試合で活躍しているのが本当にありがたいことで。
毎回“次の試合ではゴール決めないかな”って思っているんですけど、次のホーム戦、もうそろそろ、もうそろそろ、私は期待していますよ」
「個人的にその選手と仲良くなりたいみたいなのはない」と繰り返す有村さんですが、明日の試合に関してだけはちょっとだけエゴが出てきました。
セットプレーのキックから、混雑したゴール前で自分より長身の選手たちよりもさらに高く跳躍して、頭で合わせて相手ゴールネットを揺らして、スタジアムが大歓声で爆発して、、、
「それで広瀬選手がヒーローのインタビューを受けて、エヌ・ケイ・カスタマイズのみんなとMVPの記念写真を撮るって、勝手にイメージしてます笑」
えーと、久保さんの推し選手は別にいるような気がするのですが、、、まあ、勝てばMVPはどの選手でもよかろう、ですよね?!

株式会社エヌ・ケイ・カスタマイズ 企業概要
商号/株式会社 エヌ・ケイ・カスタマイズ
創立/ 2019年5月1日
代表者/代表取締役 久保 健一郎
鹿児島本店事業部/鹿児島市小松原1-4-8 前村ビル1F
(2025年3月7日、公式ホームページより抜粋)
https://nkcustomize.co.jp/