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2025.05.02 お知らせ

【5月3日マッチデープログラム】 KUFC MATCHDAY PROGRAM 2025 vol.06

鹿児島ユナイテッドFCのマッチデープログラム電子版。
今回は5月3日に行われる2025明治安田J3リーグ第11節、鹿児島ユナイテッドFC vs 奈良クラブのマッチデープログラムです。

ユナイテッド・ゾーン復活祭 2025明治安田J3リーグ第11節

2025明治安田J3リーグ第9節
vs アスルクラロ沼津 会場:白波スタジアム(鹿児島県立鴨池陸上競技場)

2025明治安田J3リーグ第9節 試合結果・監督選手コメント

2025明治安田J3リーグ第10節
vs ガイナーレ鳥取 会場:オールガイナーレYAJINスタジアム(鳥取県米子市)

2025明治安田J3リーグ第10節 監督・選手コメント

相馬直樹 監督コメント(4月29日トレーニング後の共同会見より抜粋)

1週間空いた期間で取り組んだこと

自分たちが今できている部分をさらに強固にすることプラス、今は押し込んだゲームはできているので、ゴールを取り切ること、崩し切ることにこだわって準備をしてこれていると思っています。

奈良クラブの印象

アグレッシブに攻撃も守備もしてくる印象があります。
勢いを出させないようにと思いますし、呑まれることのないようにしたいです。

似たスタイル同士の対決で鍵になる選手

ちょっと一概には言えません。
(かなり間が空いて)全員だと思います。

1週間空いて迎える試合への選手選考

今日の段階では我々としてもあと3日準備していくので、ベストな選択をしたいです。
それが同じメンバーという可能性もありますし、もちろん変えていく可能性もあります。
もちろんアグレッシブなスタイルなので、デーゲームのなかで暑くなる可能性もありますので、足が止まることや交代選手のところも含めてなおさらですが、そういうところは全員をよく見なければなりません。
どう入れ替わっていくのかは、ゲームの展開にもよると思いますし重要になると思います。

ここまでのJ3リーグ全体を見て

混戦になっていると思いますし、少し上2つが離れていますが、まだ10試合です。
これからだと思っています。
とはいえもう今まで失った分はもう取り返せないので、残り28試合でしっかりとどこよりも勝ち点を積み重ねていく必要があると思っています。

選手たちの勝ちにこだわる姿勢

意識はしてくれていると思います。
ただ何でもいっしょですが、たとえば技術面を習得する時も、できないことを意識して習得しますが、意識しないでもそれを出せることが本物の技術です。
これと同じようなことだと思います。
今は意識してこだわろうとしてくれていますが、そのこだわるのが自然に当たり前になっていくところまでは来ていないと思います。
そこで勝ちを取り切れていないところはあると思います。
一朝一夕にどうこうではありませんが、粘り強くできるようにやっていきたいです。

クラブハウスについて

すごくいろいろな方が想いを持って準備して、時間もかけて練り上げて、できたものだと思います。
それを我々がたまたまこのタイミングで今年使わせていただく形になりました。
本当に感謝しながら使いたいです。
ただ大事なのはピッチの中でそれを表現できるかです。
環境が変わりますが、けれど我々がやるべきことは変えないこと、そこがいちばん大事なのかなと思います。
ハードは大事ですけれど、ソフト面とハード面の両方が大事です。
しっかりと現場は結果を出すことです。
そこに向けて闘えるようにしていきたいです。

GWに見せたい試合

今日もですが、たくさんのサポーターの方々からエネルギーをもらえると思います。
ぜひいっしょに闘って、喜んで、そういう一日になるようにしたいです。

千布一輝 選手コメント(4月29日トレーニング後の共同会見より抜粋)

試合がない1週間で意識したこと

1週間試合がなくて普段やれない練習で、また土台になるものを作っていくことを意識しました。
また攻撃面で得点が取れていないので、後ろからなにかできるものはないかを考えた中で自分としては相手を崩す縦のクサビのパスやビルドアップで攻撃の力になることを意識しています。

守備陣で取り組んでいること

次の奈良クラブ戦に向けてもですが、後ろはとにかく失点をしないことです。
攻撃陣が点を取ってくれれば常に勝てるように、失点をゼロにしようと守備陣としてはみんなで意識しています。

失点数が減少している要因

1試合の中でシュートは打たれることは絶対にあります。
そのなかでみんなで協力して失点をゼロにすることを目標にやっていきたいです。

奈良クラブ戦に向けて

なかなか勝てない状況ではあるので、絶対に勝って最高のGWのはじまりにしたいです。

チームの雰囲気

負けてはいませんが勝ててもいないので、ネガティブではありませんが、悔しさをみんな持っています。
負けていないというよりは勝たないといけない気持ちが強いです。
そういう気持ちをもっと出して、負けない集団ではなく勝ち続ける集団になっていきたいです。

勝つために必要なこと

ちょっとの差になるかも知れませんが、相手よりも一歩先に動くこと、相手よりも先に反応することがゴールを取ることにしても失点を防ぐことにしても必要なことです。
そこを全員でひとつずつ積み重ねていければと思います。

過去2シーズンを経て出場機会を得ている状況

去年一昨年は全然試合に出られなくて悔しい思いをしていました。
どこのポジションであれば試合に出られることは幸せなことです。
自分を表現することも大事ですが、今年は常にチームのために、鹿児島のために闘うことを意識しています。
これをやり続けて、このまま試合に出続けられればいいですが、チームが勝つことを最優先に考えてやっていきたいです。

センターバックの経験

(センターバックは)練習でするくらいでした。
ですが、できて損はないですし、自分のサッカー人生がこのセンターバックの経験で伸びればいいと思いますし、試合に出られることは幸せなことです。
今までとは違いポジションになりますが、チームを勝たせるためにやることはチームから提示されているものがあるので、それを必死にやり遂げることと、ボランチと違う楽しさがあるので、それもどんどん見つけていきたいです。

鳥取戦の無失点を振り返って

僕1人で守っているというより、ディフェンダーやボランチだけでなく全員で守っています。
試合前から失点ゼロで行こうと話はできていますし、やらせない気持ちがみんな強いので、それが失点をゼロに抑えられた要因だと思います。

次節に向けて

また選手間の競争も激しくなりますが、その競争を勝ち取ったうえでこの集団も強くなっていくと思います。
負けないという想いと、チームを勝たせる想いで練習からやっていきたいです。

新たにできたクラブハウス

幸せものというか、これをプレーに還元していかないといけないと改めて思いました。
食堂もできますし、お風呂もありますし、鹿児島ならではの炭酸泉もありますし、しっかりと疲労をとってサッカーに集中して、勝ち続けていけるような集団になっていきたいです。

河村慶人 選手コメント(4/29トレーニング後の共同会見より抜粋)

試合がない1週間で意識したこと

1週間でもう1回チームでやるべきことを共有することを確認できたと思いますし、個人としてはまだ無得点なのでゴール前でのこだわりを意識しました。

ゴール前で意識していること

動き出しが悪かったら出し手の方も分かりづらいので、その動き出しではっきり動くことは意識していますし、出し手にも分かりやすいように動くことでパスを出しやすくなります。
練習から常に意識していることです。

自身ゴールが取れていないこと

やっぱり動き出しのところと、1人ではできないスポーツなので、出し手のパスが合わなければシュートを打てませんし、クロスのところも手前で引っかかっていたらFWとしてはチャンスはゼロになります。
そういう要求のところも練習から伝えています。
自分としてもサイドに流れた時のクロスは「FWならこのタイミングで上げて欲しい」ということは分かっているので、そのタイミングで上げていますが、そういうところも見せていきながら、自分にもこういうパスが来て欲しいというところを共有してやっていきたいです。

前線からのプレスやアシストでの貢献

チームとしてやらなければならないことをやっています。
アシストも今2つですが、この前の鳥取戦とその前の沼津戦でもアンジェ(アンジェロッティ選手)のシュートにつながるパスを入れていたので、それを決めてくれれば3アシストついて5になるのですが笑。
そこも決めるか決めないかの世界です。
クロスの感触もいいと思いますし、練習でもボールが来たら決められるところもあるので要求しながらやっていきたいです。

ここまでの自身のプレーを踏まえて

得点を決めていたらベストのパフォーマンスだと思います。
得点以外のところを考えたら自分自身コンディション良くできていると思います。
本当に得点は欲しいですが、そこばかりに注力するとチームに求められていることもおろそかになると思います。
まずはチームに求められていることをやりながら、来たチャンスを決められるように準備したいです。

トップとサイドハーフでの違い

特にありませんし、これまで同じような頻度でプレーしてきています。
左もやったことによって慣れましたし、右サイドは今までもやってきていたので慣れています。
どこで出ても求められていることは同じなので、どこで出てもチームに求められること、自分の良さを出したいです。

鳥取戦で今シーズン初の無得点だったこと

これでネガティブになっても仕方ありません
このプレッシャーを楽しみながら、1本決めたら違う景色が見えると思うのでまず1点取れるように良い準備をしたいです。
それは僕自身だけでなく、アンジェが決めていれば流れが変わったと思いますし、そういう試合はこれまでもありましたし、これからもあると思います。
そこは練習の積み重ねしかありません
自分もチームも意識しながらやっていきたいです。

勝利に必要なところ

ゴール前での守備はチーム全体で強度を上げてやれています。
相手に引かれて守備ブロックを作る相手に得点を取れていないので、引かれた時の崩し方やミドルシュートを打って引き出す駆け引きも大事になってきます。
全員でチャレンジしながら、最後ゴール前では冷静に決めたいです。

奈良クラブ戦に向けて

チームはここ最近勝てていないので、内容より勝ち点にこだわりたいです。
お客さんもたくさん来ると思うので、鹿児島が一体となって盛り上がる試合にしたいです。

コラム「鹿児島をもっとひとつに。vol.43(Total vol.55)」
徳永誠 さん(徳永産婦人科 院長)

あらかじめクラブスタッフから「徳永先生はアウェイにも遠征に行っていて、かなり“濃いよ”」とは聞いていました。
最近ご覧になった試合の話を振ると、ホームで引き分けたアスルクラロ沼津戦、劇的に追いついたテゲバジャーロ宮崎戦などの話になるかと思いきや。
「今のところ全部行ってます。高知も長野も鳥取も相模原も。鳥取は車で9時間半くらいですね。うちの事務長とか友人とか人数が多かったので車で行って。
でも去年の前半は仕事が忙しくてなかなか行けなくて初戦の群馬戦は行ったんですけど、そこからは時々しか行けなくて。ただ(6月30日に行われた第22節の)千葉からは全部行っています」

のどかな平日昼の鹿児島市田上にある徳永産婦人科。
落ち着いた照明の一室で向かい合うのは、50歳近いとは思えないほど若々しい院長の徳永誠先生。
今回は「こどもの日」が近いし、赤ちゃんの誕生にたずさわる産婦人科医のお話をうかがう、くらいのつもりでしたが、良い意味で子どもみたいにひたむきにユナイテッドの試合へ足を運び続ける徳永先生のお話です。

産婦人科の世界へ、ユナイテッドのある世界へ

徳永先生が産婦人科の世界を志すことになったのは産業医科大学に通う大学生だった頃のこと。
授業で学んだ受精して、着床して、妊娠して、そして子宮が大きくなって赤ちゃんが生まれてくる生命の神秘、不思議さに興味を抱くようになります。
「そのころ小児科と産婦人科で迷っていましたが、もう産婦人科医もだいぶ少ないって言われている時代になっていたので、それで意を決して。
別に親が医者というわけでもなく、病院を継ぐとかもなかったので、自分の好きなことをやろうと思ってこの世界に入りました」
大学を卒業して病院やクリニックで業界の先輩たちとともに働き、経験を積み重ねて、さらに不妊治療の領域についても見識を深めていって、むしろそちらが専門というほどに研鑽を重ねます。
満を持して徳永産婦人科を開業したのは2019年のこと。
「不妊治療っていうのは妊娠してある程度したらもうお別れになるんですけど、妊娠することはゴールではなく、出産して、家族との生活も穏やかにはじめられることがゴールであり、家族としてのスタートでもあります。なので、お産するまでも見届けたい想いがあって」
こうして不妊治療で妊娠して、そのまま病院を変わることなく出産までひとつの流れで行える、鹿児島ではまだ希少な産婦人科として出発しました。
ところが開業して2年目にはコロナ禍になり「不要不急の外出は控えてください」の時代になります。
産婦人科については妊娠したら来ないといけない病院ですのでそこまで影響はありませんでしたが、不妊治療を望む方がやや減ったのは仕方のないところではあります。
新しく院を建てるのも費用が大変だったと思いますが、徳永先生としては「あの頃でも高くなったと言われていたんですけど、今思ったらレベルが違います。クラブハウスも最初に計画されていた予算からものすごく高くなっていてびっくりしましたよ」

やっぱり話は鹿児島ユナイテッドFCになっていきます。
「正直なところ僕、野球をしていたし、野球しか観ていなかったんです。サッカーはテレビで日本代表を観るくらいで。
それで2年前に色々な縁があってスポンサーの営業があって。それでスポンサーになったら招待券をもらえたんですよね。じゃあ1回行ってみようかと。ホームの開幕戦でFC大阪戦でした。
開始2分で入れられて、そこからもう全然点数入らないから正直、、、って感じで。
そうしたら終了間際に同点、逆転。
そこでハマっちゃったんです。
あの試合でサッカーっておもしろいんだってはじめて気づいて、そのときは基本ホームだけで、アウェイは宮崎戦とかだけだったんで。行けるときは行って、あとはDAZNで観たりとかしていて、そうしていたら昇格してくれたんですよね。
それで(J2昇格を決めた)鳥取にももちろん行ったんですけど、観に行って、やっぱりあの景色ですね。
さらにJ2はおもしろいぞっていうことでさらにハマって。
だから観はじめて運良く1年目で昇格しちゃったんですよね。
皆さんの苦労を知らないんです。J2になかなか上がれなかったもどかしさとか」

FC大阪との開幕戦、終了間際に広瀬健太選手がヘディングで決めた

スタジアムこそ昇格した時とは違いますが、先日オールガイナーレYAJINスタジアムで行われたアウェイ鳥取戦にも参戦したのは前述の通り。
そして0-0、何度もポストやバーに当たってゴールが決まらなかった試合にもやもやしたものはありましたが、昨シーズン後半、アウェイで敗戦する姿を見続けた徳永先生にしてみれば、今は未来が明るいものだと思えています。

J2のアウェイ戦を応援し続けた日々で

徳永先生はこれまで歩んできた先達への敬意を表してらっしゃいますが、昨シーズン、ユナイテッドはアウェイで一度も勝つことができないまま、シーズンを終えています。
そのアウェイのジェフ千葉戦から、徳永先生はすべてのアウェイ戦を現地で応援し続けました。
千葉戦とベガルタ仙台戦では、試合開始前にスタジアム内の照明が落とされ、ライトアップされたところで選手を迎え入れる演出で「やっぱりJ1を知るJ2の先輩たちは違うんだな」とその一瞬の演出で圧倒されてしまいました。

アウェイでのベガルタ仙台戦前の演出

千葉戦では福田望久斗選手のゴールで先制しながらも逆転負けを喫します。
真夏のブラウブリッツ秋田戦では「素人の自分が見ても分かるくらい、選手たちが何をするべきか見失っているように映った」という内容と、0-2の敗戦で完全に気持ちが落ちてしまいます。
そんな徳永先生に「ダイジョウブ、ダイジョウブ」とカタコトの日本語と大きな身体で慰めてくれた香港人のユナイテッドサポーター“グレアム”さんは、多くのアウェイ戦をともにしてきた仲間です。
残留争いの直接対決となった栃木SC戦では開始直後に圓道将良選手のゴールで先制しましたが、終盤に2点を決められて8連敗となる逆転負け。
「あの試合も知り合いのサポーターの方から誘われて栃木SCサポーターと飲むからと言われて行って、そうしたら向こうも鹿児島に勝ったけどJ3に落ちそうだって話をして」
それでも徳永先生はアウェイ遠征を続けます。

V・ファーレン長崎戦では新しいスタジアムに併設されたホテルに宿泊して、その設備に「逆に鹿児島の参考にならない」というレベルで、その最高の雰囲気のスタジアムで、J3降格を見届けました。
それでも予定を変えることなく、最後のアウェイ、徳島ヴォルティス戦まで馳せ参じます。
「とにかくもうユナイテッドを応援することが一番の楽しみでした」
これが5年10年と応援し続ける時間の中で離れがたい想いが育つのは分かりますが、徳永先生は応援歴2シーズン目であり、だからこそ苦しい状況に「もう観に行くのやめよう」とならなかった事実が印象的です。
「通常はそうなんでしょうけど、でも逆にそういう時こそ応援しないといけないというですね。J3に落ちても、それでもやっぱり次につなげるために(アウェイ最終戦の)徳島に行ったわけです」
そして2025シーズン、徳永産婦人科はそれまでの横断幕を掲出するオフィシャルスポンサーから、アップウェアやタッチライン沿いに看板を掲出するオフィシャルパートナーとして、J3リーグを闘うシーズンを迎えました。

応援は家族ぐるみで、現在関東の大学に通う長女は日帰りで鳥取まで応援に参じるようなレベルで、中学生の次女も、4歳の長男も応援仲間。
「娘はもう僕が思った以上にハマってですね。去年ホームであった山口戦は次女の運動会だったんですけど、途中で娘から“お父さん行ってきなよ”って送り出してもらって試合に行って。
息子もユナイテッドの歌を歌ったり、“アンジェロッティ、アンジェロッティ”とか言ってますよ」
未就学児を連れている徳永先生にとってありがたいのが、今シーズンからメインスタンド北側のゴール裏芝生エリアが「ファミリー席」として開放されたこと。
息子さんの居場所であり、意外と試合が見えるんだな、というのが徳永先生の感想です。
鴨池の芝生エリアはピッチまでの距離が遠くて見づらいという方が多数派ですが、他の会場を見てきた目からすると十分に許容範囲のようです。
もちろん逆にピッチまでの距離が短い鳥取や宮崎の魅力は、存分に堪能しています。
3月30日のアウェイ宮崎戦は0−1で迎えた後半アディショナルタイムに近藤慶一選手のオーバーヘッドで同点になり、、、
「グレアムといっしょに観ていたんですけど、もう近藤選手が決めた瞬間に抱き合ったんですけど、それでグレアムが転んでしまって、それで後ろの女性まで転んでいるんですけど、もうお互いに大丈夫です大丈夫ですって笑」
徳永先生のお話はアウェイ談義だけで通せそうなくらい濃厚です笑

アウェイ戦で鹿児島サポーター同士が固まって応援する風景。写真は長野戦。

「ホームでは招待券もあるしメインスタンドの方で観ているんですけど、アウェイにいくとサポーター団体の近くで応援させてもらっています。それでコールリーダーや太鼓叩く方とも仲良くなって、それから大旗隊の方とも知り合いになって、それでぜひ大旗を振って欲しいと言われるんですけど、ホームの時に向こう側には行けないので。
それでアウェイで振る自体はできても、中途半端になるのは嫌で逆に迷惑がかかると思うので」

しっかりとした考えをお持ちだなと思っていると言葉が続きました。
「遊びじゃないので」
監督や選手はもちろん、サポーターもチームを後押ししようという想いがあります。
その想いを徳永先生も抱いてらっしゃるからこそ、今シーズンのここまでの10試合には鳥取戦の引き分けのように「もっとやれる」と感じることもありますが、基本的には納得されています。
「今シーズンは相模原で久しぶりにアウェイで勝利できたこともありますし、群馬戦の5-2の勝利もおもしろかったですし、今シーズン選手たちがみんないっしょになって一生懸命やっているのを感じますし、だから結果につながっているんだろうなと勝手に思っています。
アウェイの長野戦ももうすごくて7分で3点取って、ああいう興奮もあったので、それでちょっと勘違いしちゃっていたらなかなかゴールが入らなくなって今はもう冷静になっているんですけど笑」

徳永先生にとっても久しぶりにアウェイで勝利したSC相模原戦

アウェイでの話になると徳永先生の口からは頻繁に「だれとこういう話をした」という個人名が出てきます。
ホームより少人数で挑んでいるからこそ、鹿児島サポーター同士で結束しやすいのかもしれません。
「そうです。グレアムともそういう話をするんですけど、人が少ないから色々な人と知り合いになれますし、ホームももちろん好きなんですけど。
2年前のアウェイ愛媛戦で(お豆富sweets)emifullさんとお会いしてそこで仲良くなって、それで月に1回、院の3時のおやつに入れていただいて、そういうビジネス的なつながりもあったりして」

ここまでユナイテッドへの想いをたくさん語っていただきましたが、もちろん本業をおろそかにしているわけではありません。
「アウェイへ行く時に病院を守ってくれている先生方やスタッフ、そして快く送り出してくれる家族には感謝しています」

産婦人科として見る鹿児島の未来

こういう機会だからこそ、少子化の時代にどのような未来を描いていらっしゃるのかが気になりました。
「今、どこも経営は厳しい状況にはなってきているんです。
そのなかでもやっぱり母子ともに安全に出産できるようにが第一です。
それから少子化の影響で出産数は減っているんですけど、やっぱり不妊治療の患者自体は増えているんですよね。
だからそういう方々の手助けになるように、自分たちのレベルもアップできるように最新の技術もしっかり勉強しながらみんなで努力することですね。
不妊治療の技術は今は一回止まっていて、“これをやりたい”という治療方法があるんですけど、それはまだ国が認めていない状態だったりして、だから良くなってきてはいるけど、まだまだです。
それから不妊治療については東京都みたいな都会のお金があって助成金もぜんぜん違うところとの格差は感じますけど、それは僕らの力ではもうどうしようもできないところです」

徳永産婦人科のインスラグラムより

人口ボリュームが大きい第二次ベビーブーム世代(1971~1974年生まれ)が出産適齢期を過ぎていき、少子化はより加速する予測がされています。
「これからは欲しくてもできない人も増えていますし。あとはやっぱりこれだけ物価が高くなってきて、自分たちはもう1人はいるんだから、その1人に十分な教育を受けさせたい。だから1人でって考えの方はやっぱり増えていて、そういう社会情勢もあります」
産婦人科に限らず、あらゆる産業に明るい展望が描きづらい時代に、それでも徳永先生は自分たちにできること、自分たちでは動かせない現実の両方をしっかりと見極めながら仕事に取り組んでらっしゃいます。
新しい命が誕生することを純粋に喜び、やりがいを見出していた大学生の頃や新人のころから約20年、徳永先生は多くの経験を重ねてこられました。
だからこそ逆に思うようにいかなかったときの患者さんの悲しみも知るからこそ、ひとつひとつの出産に対して新人時代以上に「おそれ」を感じてもいらっしゃいます。
そもそも歴史の世界では出産は母子ともに命がけという共通認識がある領域でしたが、逆に今は母子ともに安全に出産を迎えられるのが当然とされる難しい時代です。
そしてだからこそ「自分が不妊治療をして、そこからこの子をちゃんと無事に産ませられた」という喜びは代えがたいものがあります。

徳永産婦人科のインスラグラムより

ふと気になり「もし小児科とどちらを選ぶか迷っていた大学生時代に戻れるとして、もう一度この道を選ぶと思いますか?」とたずねました。
「選ばないと思います」
先生は言い切りました。
そういえば様々なプロスポーツクラブの創設者が「こんな大変だと先に知っていたら絶対にやらなかった」という言葉を残すことがありますが、それに通じるものを感じます。
それでも今の徳永先生には、産婦人科医の先生たちをはじめ、医療スタッフや事務の方、料理を作る方、その他にも様々な方々が仲間としていっしょに働いていらっしゃいます。
ご自身にも多くの知見と想いがあり、院長として約80名の方々を束ねる徳永先生は、この少子化の時代に、様々な社会課題を抱えた鹿児島で、それでも1人でも多く新しい命を世の中に送り出すことができます。
ご自身が切望した結果として3人のかけがえのない子どもたちに恵まれた立場でもあります。
それらの事実が徳永誠という人間の基盤であり支えになっていて、「もう1回やるのは…」と尻込みするような困難に直面しても、それでも前へ進む原動力になっているのではないかという気がしました。

ユナイテッドを通して描く未来

それではそんな本業への想いを踏まえて徳永先生は鹿児島ユナイテッドFCにどのような未来を望むのでしょうか?
「もちろんやっぱりJ1ですよね」
答えは明快でした。
「今、岡山がJ1でもやれていますが、岡山ともそんなに差を感じなかったので、簡単じゃないでしょうけど、無理じゃないっていうか夢じゃないっていうか」
今ではJ1J2も広く見ていて、この2年間の観戦歴の中でも様々なクラブの浮き沈みを目の当たりにしているからこそ、ピッチ上の勝負で鹿児島にまったくチャンスがないとは思っていません。
一方でJ2J3の様々なアウェイを経験してこられた立場から、クラブ運営ホームゲーム運営という観点ではどのように見てらっしゃるのでしょうか?
「たとえば応援の大きさとか千葉や仙台のような演出ですよね。
それからスタジアムまでの道のりをしっかりと最寄り駅からこっちと示してくれていたりとか、あとは愛媛に行った時には子供向けのイベントをしていて、そういうのは良いなって思いました。
でもスアジアムの屋台とかは鹿児島が劣っているとは特に感じなかったですね」

そして運営面でのクラブスタッフやボランティアスタッフの尽力にも敬意を表されます。
「ホーム戦の前日にスタジアムに行く事があるのですが、そこでは翌日の試合のための準備がされているんです。当日も試合前に雨が降ったら、座席をひとつずつ拭いてくれている姿がありますし、試合後はゴミの回収や片づけが遅くまで行われていますよね。スタッフやボランティアの方々ががんばっているので僕らは楽しく安全な観戦、応援ができます。
選手や監督をリスペクトするのは当たり前ですが、チームに関わるすべてのスタッフ、ボランティアの方々をリスペクトすることで、もっと楽しくなりますし、もっともっと鹿児島ユナイテッドFCのことが好きになると思います」

観客が入場する前のスタンドでは補助員が雨や灰を拭いている

徳永先生はピッチの上の輝きだけでなく、様々な立場の人の働きにもしっかりと目を向けてらっしゃいました。
その姿勢はきっと院長としても経営者としても同じで、産婦人科の皆さんとの関係性も「給料と労働の交換」や労使関係だけではない同じ想いを共有する仲間なのだろうな、と感じられます。
それではハード面において、スタジアムそのものについてはどのようにとらえてらっしゃるのでしょうか?
「今のところ鹿児島のスタジアムにも不自由はないと思っているんですけど、あえて言えばドリンクホルダーとかあると便利ですよね。
長崎とかはもうある意味参考にしちゃいけないと思うくらい良すぎるし、そうなると長野とか良いと思いました。
鳥取とか宮崎も選手のプレーの熱がすぐ近くで伝わってくる感じも凄く良いですよね」

こうなってくるとサッカー同士の会話はひとつのキーワードでどんどん広がり収拾はつきません。
チームについて言えばかつてテレビで観ていた相馬直樹監督就任の報に「鹿島と間違えたんじゃないかと思いました笑」と言いつつ、いざシーズンがはじまると色々仕入れた事前情報のとおりに選手たちはとことん走り続けるし、ボールを失った瞬間前線の選手も猛ダッシュで奪い返しにかかりますし、奪ったボールは後ろに戻ることなくどんどん前へ運ばれていくアグレッシブさで飽きることなく楽しむことができています。
内容も結果ももっと向上させられるとは思っていますが、ここまでの歩みは納得がいくものであり、さらに良くなると確信しています。
ボランチが本職の千布一輝選手をセンターバックで起用していたのはびっくりでしたが、第5節の高知戦以降のプレーを見ると起用する方にも応える方にも感服するしかありません。
そして試合中の相馬監督が選手たちのより良いプレーを引き出そうとタッチライン際で送る指示も、第四審に対して伝えている言葉も聴こえてきますが、そこには熱さはあっても荒さがないことにも好感を抱いてらっしゃいます。

ここまで来て今さらながらですが、お気に入りの選手はいるのでしょうか?
「箱推しなんですよね。いずれどの選手もいなくなるじゃないですか。やっぱりその時寂しいので、やっぱり基本は箱推しですね」
それは長く応援して何回も自分や応援仲間のお気に入り選手が退団する経験を経てたどり着く境地に思えますが・・・応援歴3年目にして徳永先生はすっかり熟成していました。
もちろん今シーズン残りの試合も本業に支障がない限り、ホーム&アウェイ皆勤をめざしています。
アルウィンでの松本山雅FC戦は別格だからこそ楽しみですし、同じ九州のギラヴァンツ北九州はミクニワールドスタジアム北九州も魅力的です。
やはり現在1位と2位のFC大阪、栃木シティとのアウェイ戦は鍵になると踏んでいますし、長野戦をのぞくと最近なかなか複数得点を取れていないからこそ明日のホーム奈良クラブ戦ではやってくれると信じています。
そうやって前もって遠征の準備を進めるなかで、とあるアウェイ戦に向けてイメージを固めています。

「僕の中ではここで昇格を決めると思っているので」
ここに書くのがはばかれるくらいの、気になる方は御本人におたずねくださいと言いたくなるくらい、早い段階での昇格をイメージされていました。
けれど荒唐無稽な絵空事ではなく、このチームならポテンシャルがあるのだから、信じて応援し続ける。
うまくいかないこともあるだろうけど、眼の前の瞬間瞬間をともに闘い続ける。
徳永先生には独特の感性があり、だからこそ先生の応援スタイルが年月とともにどのように「進鹿」していくのか興味は尽きません。

医療法人令和会 徳永産婦人科
住所/鹿児島市田上2-27-17
代表/徳永 誠 院長
創立/2019年
従業員/約80名

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