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2025.06.06 お知らせ

【6月7日マッチデープログラム】 KUFC MATCHDAY PROGRAM 2025 vol.08

鹿児島ユナイテッドFCのマッチデープログラム電子版。
今回は6月7日に行われる2025明治安田J3リーグ第15節、鹿児島ユナイテッドFC vs FC岐阜のマッチデープログラムです。

笑顔の花冠 トヨタカローラ鹿児島SPECIAL MATCH 2025明治安田J3リーグ第15節

2025明治安田J3リーグ第13節
vs 福島ユナイテッドFC 会場:白波スタジアム(鹿児島県立鴨池陸上競技場)

2025明治安田J3リーグ第13節 試合結果・監督選手コメント

天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会 1回戦
vs FC今治 会場:アシックス里山スタジアム(愛媛県今治市)

天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会 1回戦

2025明治安田J3リーグ第14節
vs FC大阪 会場:東大阪市花園ラグビー場(大阪府東大阪市)

2025明治安田J3リーグ第14節

相馬直樹 監督コメント(6月3日トレーニング後の共同会見より抜粋)

やっぱりこの前のゲームはひとつ内容も結果も、しっかりと我々に突きつけられたものでした。
そこをしっかりと認識して選手たちはトレーニング取り組んでくれていると感じています。

FC大阪戦をあらためて振り返って

色々要素としてはありました。
ピッチのこともそうですし、風のこともそうですし、あと実際に肌を合わせてみて徹底してくる相手というところもありました。
そういったところも含めて、それでも我々がここからしっかりと学ばなければいけないことや、相手の嫌がることをしていかなければならないことだと、改めて感じたところであります。

やりたいことを貫くことと相手に合わせること

もちろんそれもひとつ要素としてあります。
それだけではなくプラスアルファ、、、表現が難しいですけれど、少し幅を持った闘いができるようにしたいと思っています。

守備の修正点

やはり相手がいることであり、表現するのが難しいところがあります。
この前のゲームは正直0−3で、攻撃もそうですし、守備も自分たちの思った形になりませんでした。
それは事実としてあります。
そこだけですべてを守備がどうととらえていませんし、直近で実際はリーグ全体の流れで言えば失点は減っている傾向にありました。
そこを含めてしっかりと、この前何が起きたのか、これから我々が実際に今までできていたことをブラッシュアップさせながらも違う闘い方が必要な時に、その準備ができるのかに目を向けていきたいです。

攻撃においてめざすところ

理想を言えばぐちゃぐちゃが一番いいです。
あくまで理想を言えばです。
ただ実践するのは難しいです。
結局攻守のバランスがあるので、それは難しいです。
ただ理想を言えばGKは難しいかもしれませんが、正直に理想を言えば11人全員がポジションを入れ替わるようなサッカーが理想です。

福島戦に大勝したあとの敗戦

本当にリーグ戦というものはJ1だろうとJ2だろうと、今闘っているJ3でもですが、本当に色々な難しさがあると改めて感じた部分でもあります。
そこをもう一度、今回の敗戦をいい形で今後につなげていかなければならないと思っています。
もちろんここまで14試合で勝ち点23ポイントというのは、明らかに足りている数字ではありません。
それでも残りまだ24試合ありますので、そこに残されている72のポイントがあります。
それをどう獲るのかをしっかりと目を向けられるように切り替えるしかありません。

結果論としてFC大阪相手に構える選択はなかったのか

色々なやり方があると思います。
全然今までもリトリート(後退しながら守備体型を整えるやり方)したことがないわけではないと思っています。
ただ主軸がどこか、我々の主軸はどこかだけはブレないようにだけはしたいです。
そのうえで相手がある中で、このワンゲーム、この時間帯を乗り切る、この時間帯で主導権を取るために変えられる幅を持てるようにしていくことは実際に今後必要なのではないかとは、正直、この前のゲームを終わって考えた中で、あるとは思っています。
そこは言われたようなリトリートも選択肢かもしれませんし、別のものもあるかもしれないと思っています。

現状で思う守備の距離が広がった要因

主導権を取れなかったことです。
どちらが先かは分かりませんが、選手間の距離が遠くなったから主導権を取られたのか、主導権を取られたから遠くなったのかですが、どちらにしても正直、難しい戦いになりました。
いい策を彼らに与えられなかったことは自分としても残念です。
同じようなことが起きないようにしていきたいです。

現在のチームの雰囲気

もちろん大事な一戦だと思って入ってきたことも事実ですし、準備してくれたことも間違いありません。
逆にその部分の緊張感がゲームではあったと思います。
そういう事も含めて負けてしまったことを受け入れるのが非常に難しいところはあったと思いますが、選手たちはひとつ乗り越えようとしてくれているとは思います。

FC岐阜戦に向けて

本当に大阪もたくさんの方々が来てくださりましたし、エネルギーもいただきました。
それにしっかりと応えることができませんでしたが、リーグ戦が続く形になります。
まず相手をしっかりと上回る闘いをしていきたいですし、そのために勝ちに飢えた姿を見せられるようにしたいです。

鹿児島をよく知る岐阜の大島監督について

そういった部分も当然出てくると思いますし、こちらのやりたいことをやらせないことも出てくると思います。
もしかしたら向こうがやりたいことを徹底する可能性もあります。
相手のことは正確には分かりません。
相手のことは我々がコントロールできないので、ひとつは自分たちのやり方で凌駕することがひとつ。
もうひとつは相手のやり方がある中で、その良さを消すのもひとつ。
色々と要素があります。
それを含めて準備していきたいです。

岐阜の印象

ある程度ボールを動かすところはやってくるチームだと思っています。
ただ、それだけでもないチームだと思っています
そのへんを含めて色々な準備をしていき、幅を持てるようにしなければならないと思います。

闘い方や選手の組み合わせを変えること

色々な考え方があると思いますが、そういったこともひとつの選択肢です。
どう進んでいくかはまた考えなければなりません。
選手の合う合わないなども出てくると思っています。
もちろん相手があることですし、実際はピッチコンディションもですし、雨や風、今後は暑さのところも出てくるでしょうし、その中でもひとつの闘い方でやれるのが理想です。
ただどこかに落としどころを作らなければなりません。
その落としどころをどう作るかは2つ3つのやり方を持つこともですし、自分のやり方に幅をもたせることもやり方です。
それも含めてここから先に向けて準備していきたいです。

稲葉修土 選手コメント(6月3日トレーニング後の共同会見より抜粋)

FC大阪戦を踏まえての現状

だれがどう見ても完敗で、ひとつの基準を見せつけられました。
みんなでもう一回作っていくという意識づけを僕が率先しなければならないと意識してのトレーニングでした。

今季初のリーグでのスタメン

試合前からすごく大事な試合になることは分かっていて、それは僕だけでなく選手みんな理解していましたが、それでも相手の勢いに立ち上がりから押し込まれてしまいました。
気持ち的なところではなく、本当に今まで積み重ねてきたところでちょっと後手を取ったという印象です。
練習で変えていくしかないと、試合終了のホイッスルが鳴った瞬間から思いました。

技術面や戦術面での違い

技術というよりは自分たちのやっているサッカーをより磨かれているな、より洗練されているなと感じました。
今、相馬監督が掲げているサッカーを、もっともっと精度を高く、みんなが現状に満足することなく積み上げていかないと勝ち続けられないという印象です。

FC大阪戦のピッチ状態

自分も色々なチームに所属していて同じようなサッカー、同じようなピッチコンディションでやっていました。
本当に割り切ってつなぐのか、それかああいう闘いで個人で勝つかの二択だと思っています。
それがどっちつかずなところがありました。
次にああいう相手とやる時に、自分たちがどう立ち向かっていくかは整理しなければなりません。

チームの全体的な雰囲気

正直数名からはすごくこのままではだめだという意識は感じました
ただそれを身を以て体感したメンバーが伝染させていけるかだと思います。
引きずってはいけませんが、悔しさは忘れてはいけません。
僕が一番強くその気持を持ち続けつつ、まわりのメンバーにも続けていこうと働きかけていきたいです。

FC岐阜戦に向けて

まずは大阪まであれだけ多くのサポーターが来てくださりました。
試合が終わったあとも本来であればブーイングでもおかしくない試合内容だったにも関わらず、また声援をいただきました。
その方たちを喜ばせられるように、もう一度今年掲げているアグレッシブなサッカーで相手陣地に押し込んでいくことをホームでできるように全員で準備していきたいです。
やはり相手がどう出てきてどうかではなく、自分たちのやりたいサッカーをどれだけ磨いて精度高く鋭く、積み上げられるかが今年は大事だと思っています。
もちろんやりにくさを感じるかもしれませんが、自分たちに目を向けてやっていくことがすべて勝利につながっていくのではないかと思います。

青木義孝 選手コメント(6/3トレーニング後の共同会見より抜粋)

FC大阪戦を踏まえて意識しているところ

まず闘うところで前節は相手に大きく上回られていたので、まずその気持ちの部分から入りました。
球際やひとつひとつのパスの精度は自分でも意識しましたし、まわりにもいつもより強めに言いながら取り組みました。

0-3という結果で感じた差

やっぱり自分たちの思っているサッカーができませんでした。
少し相手に飲まれたというか、相手のペースに持っていかれてしまったところで、自分たちも怖気づいてしまったところはあると思います。

3失点に感じること

ひと言で言ったら最悪な失点数です。
今回に始まったことではありませんが、簡単に背後を取られての失点は何回かあるので、修正しなければいけませんし、それはディフェンス陣に責任があると思っています。

本職ではないセンターバックとの兼ね合い

そこはあまり考えたことはありません。
本職じゃなくても出ている責任はあります。

いつもより選手間の距離が広かったこと

相手に合わせて前回は自分たちの持ち味であるコンパクト(密集)さはできませんでした。
それを相手関係なくできることが必要だと思うのでしっかりと意識を合わせて行きたいと思います。

前半の向かい風で受けた影響

たしかに風はありましたし、ヘディングで相手がロングボールを多用してきて跳ね返すのは難しいところがありました。
それで気持ちの部分で上回られたところはあると思います。

攻守におけるサイドバックの役割

攻撃的に行きたい面もありますが、ここで3失点してしまいました。
出ていくべきところと出ていかずにリスク管理するところをもう一回、整理していきたいと思っています。

サイドバックの重要性

攻守ともに貢献しなければならないポジションです。
守備のところもそうですし、攻撃のところでサイドバックのアシスト数も鍵になってくると思います。
両方バランスよくチームに貢献していきたいです。

シーズンなかばでの疲労感

そう見えてしまったのであればもう一度トレーニングしなければなりません。
それを表に出さないようなプレーをこれからしていきたいと思います。

FC岐阜戦で鍵になること

自分たちのやるべきことを相手よりも上回る。
それだけだと思います。
もちろん勝っている姿をお見せしたいですし、昇格するために連敗はできません。
今週1週間しっかりと勝利のことだけを考えてトレーニングをしていきたいと思います。

コラム「鹿児島をもっとひとつに。vol.45(Total vol.57)」
金城海斗さん(トヨタカローラ鹿児島株式会社 アスリート社員)

東郡元にあるトヨタカローラ鹿児島本店。
店内でお迎えしてくださったのは大柄な男性です。
身体は腕や胸板をはじめがっしりと鍛えられていて、顔つきも精悍そのものですが、にこやかな笑顔で威圧する要素はまったくありません。
名刺に書かれた肩書は「アスリート社員」。
砲丸投げの選手として日本陸上競技選手権大会8位の成績を残すなど全国屈指の実力者であり、2023年に行われた「燃ゆる感動かごしま国体」では鹿児島県代表として出場しました。
今回はトヨタカローラ鹿児島という自動車の販売や補修をする会社に所属しながら、砲丸投げの選手活動をしている金城海斗さんのお話です。
ひとつちなみに金城さんはトヨタイムズのスポーツチャンネルでも取り上げられていますので、こちらで砲丸投げ選手としてはかなりの部分を把握できちゃうんですけど笑

砲丸投げとの出会いと鹿児島との出会い

金城さんは名字で想像がつくかもしれませんが、沖縄県のご出身です。
今は砲丸投げですが、中学生まではバスケットボールに夢中になっていてポジションはセンター。
大柄な選手が起用されて、ゴール下での攻防で柱となるポジションの選手です。
その後、那覇西高校に進学したタイミングで陸上競技のなかでも投てき部門へ転向します。
円盤投げ、やり投げ、ハンマー投げ、そして砲丸投げ。
4種目をそれぞれにプレーする中で、最終的には砲丸投げを選びました。
「自分の父親が選手ではなく地区対抗の陸上大会とかで力自慢みたいな感じで出ていたのを小さい頃に観ていた記憶があって。それでもちろん他の競技をやりながらだったんですけど、やっぱりなんかハマってくるんですよね。自然と」
とはいえ4つの投てき種目のなかで他の3つは飛距離が60メートルから80メートル90メートルと遠くまで飛ばす爽快感があるのは素人でも容易に想像がつきますが、7.26kmもの鉄球は日本記録でも飛距離は20メートルに満たない世界です。
「距離がそんなに飛ばないじゃないですか。やり投げの槍より重さが10倍くらいあるので。その中で伸びるって言っても本当に数センチなんですけど。なんか重いものの飛距離がたったこれだけなんだけど、伸びる嬉しさっていうのはやっぱりあるんですよね。
僕もはじめたては8メートルとかそこら辺のレベルだったのが2倍以上に伸びていて、今では考えられないですけど」
こちらのYoutube動画は2023年に行われた日本選手権で8位に入賞した時のもので、16.88メートルまで距離を伸ばしています。

砲丸投げをはじめた那覇西高校での3年間を経て、指導者の1人の母校でもある鹿屋体育大学への進学を決めました。
「こういう大学があるよって紹介していただいて、実際に大学のコーチとかと話をさせてもらって、環境も見させてもらった中で、すごくいい環境だったので選びました」
溝辺の空港からも鹿児島市街地からも遠い距離にありますが、それも金城さんにとっては「だからこそ競技に集中できるっていうのはあります」というプラスの要素でした。
そういえば鹿児島ユナイテッドFCではありませんが、鹿屋体育大学からプロになったある選手とお父さんも「ここだと関東や関西と違って、試合に出られなくて腐ってしまいそうな時に、夜遊びに逃げることができないから、サッカーに打ち込むしかないじゃないですか。ここに住んでいる人たちには申し訳ない言い分ですけど」とおっしゃっていました。
さらに鹿屋から車で約40分のところにある大崎町には「ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅」という陸上競技のトレーニングに特化した施設があり、金城さんはそこでアルバイトをしながらトレーニングをすることもできたのです。

「ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅」Instagram

質の高いトレーニングを重ね、鹿屋体育大学で砲丸投げの選手としてインカレや国体に出場して、実績を重ねていった金城さん。
日本でもトップクラスの実力者と言っても、砲丸投げはそれだけで生計を立てられる選手は日本トップ3クラスだけの厳しい現実があります。
2021年、インカレ3位の成績を残し、4年生になっていた金城さんにも何かで働く+競技という進路が求められました。
そのままトレーニング環境の整った鹿屋体育大学の大学院でもう2年間競技に打ち込み、さらに実力と実績を重ねながら次なる道を模索するのか。
「ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅」で働きながら競技を続けるのか。
いずれにしても沖縄に帰るという選択肢もなく、「鹿児島以外」は考えていませんでした。
「コロナ禍でかごしま国体が延期になったじゃないですか。
それで陸上関係の方にも鹿児島で競技を続けませんか?ということを言われて、鹿児島の企業を探すことにして」
鹿児島の企業についても色々と調べていくうちに、フィールドホッケーを競技レベルで続けるアスリートとして採用している選手が載っている企業紹介を見つけます。
それがトヨタカローラ鹿児島でした。

「私も競技を続けたかったのでその方に連絡したのがはじまりで。それで話を聞いて、営業をしながら競技をしてらっしゃるということで、そういう働き方、競技の続け方もあるのかなと思って、会社に話を聞かせてもらって」
こうして金城さんは「アスリート社員」の肩書でトヨタカローラ鹿児島で働きながら砲丸投げの選手としての活動を続けることになりました。

トヨタカローラ鹿児島の社員として

実業団ではない個人種目の選手にも所属先がつくことがあります。
たとえば鹿児島出身のプロゴルファー勝みなみ選手は明治安田所属ですが、会社の業務に従事することは基本なく、広告塔としての所属契約を結んでいますが、このような形が一般的な種目や選手も存在します。
対する金城さんとトヨタカローラ鹿児島については、もちろん競技生活への配慮はありますが、しっかりと社業にも従事しています。
「最初に入社した時は営業で入ったので他の新入社員といっしょに営業研修をしましたし、アスリート社員の先輩はがっつりと営業をやっていたんですけど、自分はもっと本格的に競技の方に進みたい想いがあったので。
あとは練習時間もいただきたいという希望のすり合わせをして、今の本社で事務的な仕事であれば、お客さんに左右されないから午後3時に上がれるということで、今の形になりました」

代表取締役社長 中村博之さんと

考えてみると営業であれば名目上は3時退勤だとしても、眼の前のお客様が新車を購入しそうとかなると、退勤時間を遅らせてでも前向きに応対するものです。(定時を越えて残業してまで、となると賛否あるでしょうが)
そういうお客様に左右されない業務として、営業企画部でシステム関連の仕事と、顧客情報の整理をしています。
「営業とかと違って直接利益に関わる仕事ではないんですけど、結局はそこに結びつく仕事というか。自分のミスが最終的に影響したりするので、ミスは許されませんし、責任の重さはやりがいと直結しています」
とはいえ営業ではありませんが、お客様と営業スタッフが商談をしている本社1階を通りがかると「砲丸投げで国体に出た選手」と認識され、声をかけられることもあります。
「そういうのはやっぱ、ちょっと嬉しかったですね」
アスリート社員の肩書は、ある意味でトヨタカローラ鹿児島にとってアンバサダー的な立ち位置でもあります。
それが金城さんと鹿児島ユナイテッドFCとのつながりにもなっていきます。

トヨタカローラ鹿児島のスペシャルマッチ

2016シーズンのスペシャルマッチ

トヨタカローラ鹿児島が、鹿児島ユナイテッドFCのホームゲームでスペシャルマッチの協賛をするようになったのは、Jリーグに入会した最初の2016シーズンからで、今回で10シーズン連続になります。
スペシャルマッチに付随して鹿児島大学附属特別支援学校をいっしょに訪問して、生徒たちに招待券を贈呈することも10シーズン連続で、サッカーや運動を通して交流することもコロナ禍をのぞいて継続していること。
金城さんも入社1年目からトヨタカローラ鹿児島のアスリート社員として参加しています。
そして最近では子どもたちに混じってボールを蹴る姿も見られて、それが意外と上手いのが、、、いや、基礎運動能力の高いれっきとしたアスリートなんで失礼な感想なんですけど笑

「(母校の那覇西)高校が毎年選手権とかインターハイに行くような県で一番強い高校で、クラスの半分以上がサッカー部だったので、その中に混じってフットサルとかの授業をやるとやっぱり美味しいところをもらえるというか。
みんなガチでやっているので、そこからのパスとか受けていると自然とトラップできたりするようになります。
あと身体がでかいのでGKやらされたり笑
今でも付き合いがある友だちはほぼほぼサッカー部なんで年末に帰って集まったりする時はフットサルしますもん」
この取り組みがきっかけではじめてJリーグの試合を観る生徒もいて、だからこそこういう活動はユナイテッドに継続していって欲しいという想いがありますし、もっと若いファンが増えていって欲しいという想いもあります。
そしてスペシャルマッチ当日、金城さんはブースの運営で抽選会の受付などを行っていますが、入社した1年目の2022シーズン、愛媛FC戦がはじめて観た鹿児島ユナイテッドFCの試合でした。
この試合ではブースの撤去作業が終わり、後半の途中からスタンドで観戦しました。
「もう正直嫉妬するぐらい観客の多さにびっくりしました。
やっぱり同じ競技場(鴨池陸上競技場)でプレーするから、こんなに人がいるんだ、すげえなって思って。
サッカーの試合はもちろん見たことあるんですけど、こんなに盛り上がるものなんだって。実際にめちゃくちゃおもしろいですもんね。
その盛り上がりにはやっぱりびっくりしました。
でもあの試合って負けた試合で、僕が観に行った時に攻められて失点したんですよ。
試合前の(始球式での)あいさつで“トヨタカローラスペシャルマッチでこれまで負けていない”って言っていたのに、私が最初に参加したのが敗戦だったので。
それでもおもしろかったです」

ちなみにブースではプレゼント抽選会を行っているのですが、目玉である選手のサイン入り公式球は「これって本当に当たるんですか?」と笑いながら聴いていた人が本当に当選して、その連絡を受けてびっくりした話を翌年のスペシャルマッチ会場でお話したり。
色々なエピソードがあり、やっぱりユナイテッドとサッカーについてはリスペクトする部分が多くあります。
「やっぱりサッカーって競技人口も多いですし、J3でもこんなに盛り上がるんだなって。それからユナイテッドって中学生とかユース年代からの育成とかもやっているじゃないですか。それで陸上の方がスプリントコーチしているのを見たんですけど」
昨シーズンから鹿児島ユナイテッドFCのアカデミーでは走り幅跳びで国体や日本選手権でも上位入賞の常連である手平裕士さんが、陸上の専門家として走り方の指導などを行ってらっしゃいます。

手平コーチがU-12の選手たちに指導しているところ

「手平さんともいっしょに練習していた方で仲良くさせてもらっていて。手平さんももともとは和歌山の方で地元国体に向けて強化されていた選手で、プライベートなことがきっかけで鹿児島に来られたみたいですけど」
手平さんはかごしま国体が終わってからも鹿児島で指導に携わってらっしゃいますが、同じ陸上競技の金城さんの話をうかがうとアカデミーの選手たちはとんでもない方に指導してもらっていることが分かります。
ここからは改めて砲丸投げ選手としての金城さんの話しに戻りましょう。

社会人選手になってからの競技と怪我

トヨタカローラ鹿児島に入社して4年目を迎えた金城さん。
1年目の2022年に日本選手権で8位に入賞して、満を持して迎えた2023年のかごしま国体でした。
「地元での大きな大会で、社員の方々にも来ていただいて、はじめて多くの人に見られる体験で。
実力は一番ではなかったんですけど、自分がすごく注目されている試合で、はじめて緊張しましたね。
普段の全国大会ではアドレナリンがめちゃくちゃ出て、すごく試合に集中できているんですけど、かごしま国体の時も集中はしていたんですけど、やっぱり緊張のほうが勝ってました。
日本選手権のときよりも、それから沖縄県代表として国体に出ていた時よりも、自分の所属県で開催される国体で、ギャラリーも応援という意味で鹿児島の人たちばかりで、他のボランティアの方々も鹿児島の方で声をかけてもらったりとか」
競技の結果としては13位で入賞を逃しましたが、地元選手として国体でプレーできたのは貴重な経験でした。

もちろんかごしま国体を終えたといっても競技が終わるわけはありません。
まだまだ記録を伸ばしていくこともですし、次なる日本選手権や、国スポとリニューアルされた国体など目指すべき舞台は続いていきます。
「鹿児島の次は(佐賀県で行われた)国スポだったんですけど、そこは肘の手術などで出ていないので。今もちょっとずつですね。
ちょうど今月手術をしたばかりで、今はリハビリ中です」
金城選手の肘には手術の痕が見られます。
「最初はなんか疲労とかかなとか違和感があったと思うんですけど、いつものようにケアをしていってもなかなか疲労が抜けなかったりっていうのが続いていたんです。
それで試合に向けてコンディショニングしていくと、いつもは身体の調子も上がって、距離もどんどん伸びていくんですけど、ここも全然反対の感じだったし、関節の可動域も悪くなってきていたので“これは怪我をしているのかもしれない”って思って。
それで病院を受診したら手術が必要ですねと」
肘の靭帯を損傷していて、骨も変形していて、今回の手術では変形した骨を削って元のあるべき位置に戻すという手術でした。
同じ九州で行われた「SAGA2024」には出場することができず、今年7月の日本選手権も間に合わず、10月の国スポがギリギリかもしれない、、、くらいの状態です。
「正直、今年は試合に出るっていうよりは万全の状態でパフォーマンスできる状態に戻したいのがあります。
去年はさすがに焦っていたんですけど、その焦りが裏目に出るじゃないですか。
今年はその分、落ち着いているというか、自分のペースで怪我を治すことに意識を向けて、焦らないように、焦らないようにということを意識できています」
その表情にかげり、迷いはなく、笑顔です。

「実際に日本トップに立っている方は30歳過ぎてもいますね。
本当に瞬発的な力が必要なのと、技術の定着は歳を重ねるほどに身体に定着していくと思っていますし、あとは身体の状態を落とさないように、ですね」
今はリハビリ中のため違うところもありますが、15時までトヨタカローラ鹿児島で勤務したあとはトレーニングジムで身体づくりをしたり、鹿児島南高校でトレーニングをしたり、高校生たちに指導したりする、そういう生活にはやりがいがあります。
「鹿児島生活は長いですし、沖縄とも天気が似たところがあって、沖縄はもう少し蒸し暑いかなって感じはあるんですけど、冬は寒いですが、北に行けばもっと寒いし雪が降って外での練習ができない時期もあるっていう地域もあります。
鹿児島って恵まれた環境じゃないかなと思います。
砲丸投げができないのって雪が積もる日くらいで、本当に1年通して投げられるっていういい環境じゃないかなって思いますね。
砲丸投げは雨が降っても、雷注意報がなければ続行します。
足元がすべりやすいとか砲丸がすべりやすいとかはあるんですけど、それはもうみんないっしょですからね」
短距離走など種目によっては風が強すぎる時に公式記録として扱われず「追い風参考記録」とされることもありますが、たしかに7キロを超える砲丸に対して風の影響はほぼないですね笑!

「逆にやり投げとか円盤投げはもの自体が軽いので結構風に影響されやすいんですよ。そこを狙って記録を狙いに行く人もいますし。
それから円盤投げだと向かい風のほうが伸びていくっていうのが物理的にあるので」
向かい風大歓迎?
「円盤の軌道って上向きに出ていくので追い風よりも向かい風を円盤の面が受けて記録が伸びていくんです。右投げの人は反時計に回転していて、右の向かい風がすごくいいんですよね」
金城選手の言葉に触発されて後から色々調べましたが、実際に理論的にも向かい風で飛距離が伸びることがあるようです。
「砲丸投げの投げる場所ってサークル内の2.15メートルで投げないといけないんですけど、やり投げは約30メートルくらいの助走距離があるのでやっぱりスプリント力が大きいですよね。
それからやり投げはどちらかと言えば野球の投げる動作に近いんですけど、砲丸投げは押すんです。
胸の力、上腕の力、下半身、全身で押すんです。
だから手首もボクシングのバンテージをぐるぐると巻いたりして固定してあまり関節が行き過ぎないように、砲丸の重さに押し負けないようにいい感じに固定して投げます」

同じ投てき種目でも違いは随所に見られて、陸上競技の奥深さを見る思いです。
ただ共通するのはメンタリティ、集中の仕方と言えるでしょうし、他の種目とは違う部分です。
サッカーやバスケットボールの場合、ピッチ内でたくさんの選手が不規則に動き続けるため、「集中している」といっても視野が狭くなるのではなく、膨大な情報を高密度に処理しながらプレーを選択して実践し続ける、という形での集中力が求められます。

格闘技やテニスなど1対1の場合はより狭く、眼の前にいる相手の微細な動きから次に起きることを予測し続ける形になっていきます。
「サッカーやバスケとはまったく違うと思いますね。1対1の局面とかは相通じるところもあるかと思いますが、相手より自分が上回ってしまえばいいと思うんです。
けれど砲丸投っていうのは天井がなくて、自分が自分を高めていくしかありません。
“何を考えてプレーしているんですか”とかよく聞かれるんですけど、なんか無心なんですよね。
なんか振り返ると一番飛んだ時も何も考えてなかったなっていうのもありますし。
なんか集中していると視野も狭いですし、視野が広い時のほうがキョロキョロして集中できていないって思いますし。
投げるために頭の中で自分の動きをイメージしているんですけど、もう投げるっていう場面では砲丸って距離を伸ばすことに加えて37度の範囲内に落とさないといけないので、その中心に落とすイメージです。自己ベストの時も動画を振り返るとほぼ真ん中に行っています」

ちょっとずつマニアックな話になってきて恐縮ですが、トップ選手が試合の時に、特に最高に近い状態の時にどういう感覚にあるのかをもう少し知りたいところです。
「なんか砲丸って重いものを投げているじゃないですか。
でもめちゃくちゃ力を入れれば入れるほど飛ばないんですよね。
逆に飛んだ時ってもの自体を軽く感じるんです。
全身の動きと突き出すタイミングが合って、なんか7キロの重さを感じなくて、ぽんって飛んでいくような感じなんです。
みんなこれでも共通して言うと思うんです。
飛んだ時ってぽっと軽く行きました、みたいな。
こんな力感があるスポーツでもそういう感覚を練習で追求していくんですけど、やっぱりその的中率を挙げていくための練習なんじゃないですか?
この時期とこの時期を比較して距離のアベレージも上がっているよな、何メートルと何メートルの間に落ちる回数が増えてきたな、という風になりますね」
高校生になってから始めた砲丸投げのキャリアは約10年。
30歳を過ぎても投げられると考えると、まだまだこれからの金城選手です。
きっとこの怪我と手術の経験をバネにして、もっともっと実力を養って大きな選手になっていってくれることでしょう。

仕事もがんばる!

トヨタカローラ鹿児島での金城さんは、アスリート社員として競技で結果を残すことだけでなく、スポーツで培ったものを会社に活かそうとしています。
「最初アスリート社員の採用って地域貢献活動の一環としてってことだったみたいで、自分が今社内にどういう影響を与えているのか分かりませんけど。
結構アスリートってポジティブじゃないですか。
それからチーム内で培ったコミュニケーションとか社交性っていうのも社内の人間関係で活きてくるっていうのもありますし、色々な業務にアスリートを活かせると思っています。
そういう意味でも自分自身がもっと知ってもらえたら、そういう働き方も増えるかもしれませんね」

社会人にとって大小のミスはつきものですが、ずっとスポーツをしていると自分にせよ仲間にせよミスのない1日など存在しませんし、敗戦や怪我などの挫折もたくさん味わいます。
すべてを消化して、それでも次に向けて進み続けるしかないことをアスリートは理解していて実践していて、その意味でのポジティブさは、会社においても活用できるものかもしれません。
そして「15時退勤」という縛りがあることで、業務時間内に最大限のパフォーマンスを発揮するしかない状況も、金城さんの業務遂行能力を高めています。
「なんかスポーツをやっているから数字化したがるっていうのはあるんですけど、身につけるスキルが上がってきたのはあります。
パソコンとかあんまり得意じゃなかったのが、そういうバックヤードの作業をどんどん早めるためにエクセルを憶えていって。
関数とかも全然だったのができるようになっている。
業務時間の量が決まっているから、自分のできることが増えれば増えるほどできる仕事の量も増えるっていう実感もあります」

そういえば今回、ほとんどトヨタカローラ鹿児島についてふれることがありませんでしたが(ごめんなさい)鹿児島という地方都市において実業団チームとはまったく異なる「アスリート社員」という形でスポーツにたずさわるあたり先進的です。
そのアスリート社員として、ある意味会社の顔のような存在でもある金城さん。
大きくて、力持ちで、でも笑顔で、とにかくいい人で、仕事熱心で、トヨタカローラ鹿児島の方々はこういう方々なんだろうなーという感じです。
ぜひ機会があれば金城さんに話しかけてみてください!

・・・でも今はリハビリ中なので、こういうことはやめてくださいね笑

会社概要
会社名/トヨタカローラ鹿児島株式会社
住所/鹿児島市東郡元町15-18
代表者/代表取締役社長 中村 博之
創業/1962年
従業員数/332名(2021年7月)

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