リユースカップ導入に向けた実証実験の実施について(3/15)

鹿児島ユナイテッドFCは、3月15日(日)のホームゲームにおいて、再利用可能なリユースカップの導入に向けた実証実験を行いますので、お知らせいたします。
本プロジェクトについて

この取り組みは、日本財団の助成を受けて実施いたします。
皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。
日本財団WEBサイト
https://www.nippon-foundation.or.jp/
開催概要
実施日
2026年3月15日(日) 14:00キックオフ
明治安田J2・J3百年構想リーグ 第6節
鹿児島ユナイテッドFC vs レイラック滋賀FC
目的
使い捨てプラスチックごみの削減と、持続可能なスタジアム運営への第一歩として、リユースカップの導入可能性を検証します。
はじめての取り組みになりますが、皆さまのご理解ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
ご利用方法
リユースカップは、以下の2つの場面でご利用いただけます。
①「のんかたゾーン」でのドリンク購入
ステップ1:カップの受け取り
スタジアム場外の総合案内所(メインスタンド・バックスタンド)にて、デポジット100円をお支払いいただき、リユースカップをお受け取りください。
ステップ2:ドリンクの購入
「のんかたゾーン」にて、お手持ちのリユースカップにドリンクを注いでもらいます。
ご利用いただけるのはビール、レモンサワー、焼酎となります。メガシマビなど容量の大きい飲みものについては店舗が用意するカップをご利用下さい。
ステップ3:カップの返却
飲み終わりましたら、総合案内所にリユースカップをご返却ください。
お預かりしていたデポジット100円をお返しいたします。
そのまま2杯目以降をお飲みになる方は「のんかたゾーン」にて、その旨をお伝え下さい。衛生管理のため交換したカップにてご提供いたします。
②お持ち込みの缶・瓶飲料の移し替え
Jリーグの規定により、スタジアム内に缶・瓶の持ち込みはできませんが、総合案内所にて中身をリユースカップに移し替えてご入場いただけます。
ご利用方法
総合案内所にてデポジット100円をお支払いいただき、リユースカップをお受け取りのうえ、お持ち込みの缶・瓶飲料をカップに移し替え下さい。
飲み終わったカップを総合案内所にご返却いただければ、デポジット100円をお返しいたします。
ご注意事項
- デポジットの100円をお支払いいただく際は現金のみの受付となります。また千円札を超える金額の紙幣のご利用はご遠慮いただきますようお願い申し上げます。
※3月13日(金)追記 - 約400mlを超える容量のドリンクについては、店舗が用意する従来のプラスチックカップでの提供となります
- 今回の仕組みをご利用にならず、従来通り店舗で直接プラスチックカップでのご購入も可能です
- 本実証実験は限定的な実施となりますので、予定数に達し次第終了となる場合がございます
嵯峨理久選手と気候アクション〜コラム「鹿児島をもっとひとつに。」vol.69〜

嵯峨 理久(さが りく)選手プロフィール
青森県生まれ。秋田県での生活を経て青森山田高校、仙台大学を経て2021シーズンより当時JFLのいわきFCに新卒で加入。2021シーズンのJリーグ入会、2022シーズンのJ3リーグ優勝J2昇格などの実績を残し、2024シーズンよりファジアーノ岡山に完全移籍。今シーズンより鹿児島ユナイテッドFCに期限付き移籍で加入。既婚で昨年第1子が誕生している。
近年、Jリーグは地球規模の気候変動に対する取り組みを進めています。
小野伸二Jリーグ特任理事たちが1時間弱に渡って気候変動とサッカーに関連した話をするYouTube番組が公開されたのはそのひとつ。
それに関連して、鹿児島ユナイテッドFCも3月15日のホームゲームで実施することになったのが繰り返し使えるカップを「借りて・返して・再利用する」循環型プログラムの実証実験です。
これはプラスチックごみの削減という環境対策=気候アクションなのは言うまでもありませんが、そもそも気候変動などのテーマは大きすぎてなかなか理解しづらいもの。
その理解しづらいテーマについて、プロサッカー選手はどのようにとらえているのか、ありのままの姿を探るべく、今回は嵯峨理久選手に話を聞いてみました。
「実は僕、エコバッグ使っているんです」
嵯峨選手はあらかじめお伝えしていた今回の取材の趣旨を踏まえて、椅子に腰かけながら話を切り出してくれました。
「奥さんが“レジ袋買わないで、バッグを持とうよ。もったいないでしょ”って」
嵯峨選手は今ではそれが習慣になっていることを、エコバッグを小さく折りたたむ仕草を交えながら話を続けます。
「この前もイオンを回っていたら途中で自分の買い物カゴも持っているんですけど、それを忘れたことに気づいて。
取ってくるように言われて笑。
それくらいバッグは持参するものになっています」

今年から鹿児島で生活している嵯峨理久選手ですが、それまで人生の大半を過ごしてきた東北との気候の変化はかなり強く印象に残るものでした。
2月を終え3月になったばかりの段階で、鹿児島はすでにぽかぽか陽気。
「1、2週間前に親に連絡取った時に、青森、今6度ぐらいだよみたいな感じで聞いたんですけど鹿児島、最高気温20度ぐらいあったんですよ。
それでもうダウン必要ないな、まず鹿児島では使わないなって思いました。
鹿児島来て多分、使ったかどうか、本当に覚えてるか覚えてないかぐらいです。
もう夏が怖いですよね、今が暖かすぎて」
嵯峨選手が鹿児島に来て驚いたのは、単純な気温の高さではありませんでした。
「暑い期間が長いみたいですよね。これはしんどそうだと思っています」
一方でルーツを探ってサッカー生活の大半を過ごした東北での約20年を振り返ると、子供の頃はそんなに夏を苦にした感覚はなかったそうです。
変化、暑さを感じ始めたのは大学でプレーするようになってくらいから。
「大学ぐらいから夏ちょっとキツイな、暑いなと少し感じていたんです」
大学を卒業し、いわきFCに加入すると舞台は東北メインから、全国になります。
「アウェイで西日本に行くと真夏のデーゲームで13時キックオフの試合もあって、そのころはしんどいなって感じていました。
年々夏が嫌になってくるというか、暑さがしんどいっていうのはあります」
同じ福島県と言っても海沿いにあるいわき市は比較的過ごしやすかったようですが、盆地の福島市になると最高気温が40度になることもあるし、いずれにしても青森県よりはきつい環境でした。

今回Jリーグは従来の2月開幕12月閉幕の春秋制から、2026年8月に開幕して2027年6月に閉幕する秋春制にシーズン移行します。
様々な要素がありますが、夏の暑い時期にする試合とチーム活動を少しでも減らしたいことは確実に重要な要因です。
嵯峨選手もコンディション面での恩恵はあると感じています。
「個人的には多分、助かると思いますね。
もちろん最初はその試合の周期に合わせてコンディションづくりをするのは難しいところがあるかもしれないんですけど。
もちろんやってみないと分からないですけど、暑さのことを考えたら全然いい方向に変わってくるんじゃないかなというのはあります」

嵯峨選手は昨年、第1子が生まれ、父親としての側面もあります。
オフはやっぱり家族でお出かけ。
「買い物に行ったり、この前はマリンポートに行ったり、動物園にも行ったので近々、水族館も行こうかなと思っています」
平川動物公園の年間パスをすでに購入したそうで、やはり家族にとっては貴重な遊びスポットです。
「まだ自分は1時間くらい家族で回っただけなので全部は見切れていないので、また行って回りたいですよね」
ちょっとずつ鹿児島生活を満喫し始めているからこそ、気になるのはこれからの鹿児島の暑さです。
「家族で遊びに行くときとかちょっとそれが不安ですね。
子供も外に出られるようになってきたからいっしょに公園にお出かけしようと思っても、真夏はちょっとそんなに出られないだろうなっていう不安はありますよね。
もちろん暑さ対策はシーズン移行の目的のひとつではあると思うんです。
生活する中でも暑さ対策は大切ですし、自分も選手としてコンディションを整えることは欠かせません。
特に鹿児島に来たからこそ、しっかり向き合わないといけないなって思っています」

ニュースなどで目にする機会は多く、認知はされている地球全体の気候変動というテーマですが、サッカー選手に限らず大半の生活者には具体的な実感が今ひとつ描きづらいことでもあります。
そこでひとつ仮定の質問をぶつけてみました。
~将来の青森県が、鹿児島県みたいな気候になるとしたら?~
聞かれたとたん、嵯峨選手はがっくりとうなだれながら苦笑いしました。
「きついっすね」
ひと言発すると少し沈黙を挟みました。
「青森に帰ったときに…冬に雪は降らなくなって、夏になると…いや、もう考えられないですね」
どうしても実感は湧きませんが、世界中の様々な科学データを検証すると50年先、あるいは2100年とかになると東北や北海道が、今の九州レベルの気温になる可能性が非常に高いことが指摘されています。
ネガティブな意味でも壮大な話ですが、プロサッカー選手ができることもあると期待されていることも事実です。
こちらが用意した「個人でできる気候アクション」の例を書いたカードを広げると嵯峨選手はじっくりと眺めはじめます。
「地元の食材を選ぶ」「将来の子どものために今できることを考える」「ゴミの分別を徹底する」「安全運転はエコ運転」などなど。
そしてカードの中から「マイボトルを持ち歩く」に手を伸ばしました。
「さっき言ったエコバッグを使うこととかももちろんあるんですけど、自分が選手としてそういう発信をすることもひとつあるのかなと思います。
あとはこまめに電気を消すとか、水を出しっぱなしにしないとか、奥さんがしっかりしているのでそれは意識するようになっています。
そのなかでこのマイボトルは経済的ですし笑、ゴミも出ないし、これはちょっとやってみたいと思います。
これから暑くなってくるので、普段でもマイボトルを持ち歩いて水分補給をしっかりすることが自分のコンディショニングにおいても環境においてもいいことなのかなと思うので、これから取り組みたいと思います。
自分でコーヒーを淹れる時はタンブラーに入れているので、それはあるので冷たいものを入れて移動中にまめに水分補給をしたいときに飲むことはしたいですね。
おすすめのマイボトルがあれば教えてください笑」

奇しくもプラスチックごみの削減という話と符合しましたが、今回ホームゲームで行うリユースカップの実証実験もまさに同じように小さな一歩です。
「もちろん、暑くなるっていうのは、もう多分避けられないところはあるとは思うんです。
でも、やっぱ少しでも、そういう環境を守っていくっていうか。
そういうのは大事だと思います」
ところで、子どもと環境のことを話すということでしたが、将来的にどんな世の中であって欲しいのでしょうか?
「子どもが大きくなった時に、平和で穏やかで、やっぱ外で遊べるような環境であって欲しいなとは思いますね」
嵯峨選手は終始、丁寧に誠実に「地球規模の気候変動と、対策としての気候アクション」という社会的だけれど、具体的なことを話しづらいテーマについて向き合ってくれました。
次世代も背負っている父親としてもきっと「小さいけれど確実に意味があること」を続けてくれるんだろうなと感じさせてくれます。
嵯峨選手はこのテーマにおいても、プロサッカー選手としてできることに目を向けていました。

同時に、やっぱりその選手ならではの発信力も、ピッチの上で本業のサッカー選手としてのプレーがあってこそです。
まさにシーズン移行に向けて現在行われている「明治安田J2・J3百年構想リーグ」ではここまでの5試合すべてでスタメン出場し、早くも存在感を発揮していますが、ここまでのシーズンについてどのように捉えているのでしょうか?
「その大会が持つ意味合いとかあるかもしれませんが、僕自身は目先の1試合に鹿児島の選手としてチームの勝利に貢献するためにピッチに立ってプレーする気持ちで毎試合臨んでいます。
トレーニングでもそうですし、1日1日の練習もそうですし、試合もですし、そこに向けて自分の持っているすべてを出すことに集中しているだけなので、僕自身は深く考えていないです。
ありがたいことに試合に出させてもらって、毎試合充実感、選手としてピッチに立つことが大事なので、そのことを感じています」
嵯峨選手はピッチの中でも外でも、どんなことに対しても「今できること、今するべきこと」に目を向けていました。
ピッチに立った嵯峨選手はチームの一員としてやるべきことに集中し、走り続け、ここぞの場面では決定的な仕事も果たす頼れる選手ですが、それも1日1日の積み重ねがあってこそなんだろうなと感じさせてくれます。
地球規模の気候変動という立ちすくむようなテーマにおいても、エコバッグを持ち歩いたり、電気や水を使いすぎないように気をつけたり、マイボトルを持ち歩こうとするとか、「よしやるぞ!」の決心でやるというより、着実にできることを(時に奥さまに指摘されながら)着実に実践しています。
そんな嵯峨選手がプロサッカー選手として20代後半の若者として、どんな未来を築き上げていくのか、注目しましょう!

青木義孝選手と気候アクション〜コラム「鹿児島をもっとひとつに。」vol.70〜

青木義孝(あおき よしたか)選手プロフィール
1998年東京都生まれ。高校時代までをFC町田ゼルビアの育成組織で過ごす。拓殖大学を卒業後の2021シーズン、町田のトップチームに加入。2022、23シーズンをJFLのラインメール青森FCで過ごす。町田に復帰した2024シーズン途中からV・ファーレン長崎に期限付き移籍。2025シーズンより鹿児島ユナイテッドFCに完全移籍で加入。昨年6月に入籍。
嵯峨理久選手に続いて、今回お話をするのは青木義孝選手。
ピッチの上でサイドバックとして前に後ろに走り続け攻守に貢献していますし、現在の百年構想リーグで鹿児島のファーストゴールを決めたのもこの男。
一方でピッチを離れると、昨シーズン鹿児島に移籍してきて以来、鹿児島の生活を満喫している様子です。

「どちらかと言うとショッピングセンターとかよりは外を歩いていたほうがリラックスできるんですよね。
犬を連れて家族で。
重富海岸はいいところでしたし、霧島市は霧島神宮をメインに何回か知っていますし、阿久根市にもグラウンピングしに行って近くを散歩したりみたいな」
青木選手は東京都のなかでも、人気登山スポットでもある高尾山など自然豊かな八王子市生まれ育ち。
鹿児島の自然も楽しめていますが、夏場は犬の散歩を日中はさせることができず、日が暮れてからだそうです。
「もうやばい。全然暑さが違う」
将来子どもが生まれた時も、真夏に外に出せるのかは不安そうです。
ピッチの上はもちろん普段から暑さを体感しているからこそ、2026/27シーズンからの秋春制シーズン移行は選手として肯定的でした。
「だいぶありがたいですね。もうしんどかったので。
他の選手ももちろんきついで、条件はいっしょですけど」
ユナイテッドサポーターにはおなじみの通り、90分+アディショナルタイムまでチームのために走り続けるタフな青木選手ですが、やはり、きついものはきつい、でした。
真夏でも変わらずハードなトレーニングを行ったあとのクラブハウスではしっかりしたケアを受けて栄養補給をすることはもちろん、首から冷えるリングをかけるなど、日常的に暑さ対策を心がけています。
「あとは暑い期間が長いというか、なんか秋と春があんまり感じられなかった気がします」
サッカーをはじめて20年以上になる青木選手ですが、気候の変化自体を感じることはあるのでしょうか?
「だいぶ暑くなったんじゃないですか?
それは間違いないです。
鹿児島だから暑いとかじゃなくて。
それこそ一番感じたのが青森に行っていた2年間です」
奇しくも嵯峨理久選手が生まれ育った青森県ですが、北国で暑いと感じることがあるのは意外な気もします。

「1年目はもう夏も通して全然問題なく長袖を着れていたんですけど、2年目の夏はもう着れなくて。
絶対にノースリーブじゃなければダメだぐらいの暑さで、こんなに1年で変わるんだって思いましたね」
その青森よりは南に位置する東京都八王子市はどうなのでしょうか?
「八王子も寒いし、雪も降りますし。
なんというか、八王子の寒さは痛い寒さというか、突き刺すような寒さなんですよね」
鹿児島県民には今ひとつピンと来ないところもありますが、地理的な要素もあって意外と寒い時期も多いようです。
それも踏まえて嵯峨選手の時と同じ質問をぶつけてみました。
東京都の西側にあり、多摩丘陵に囲まれた自然の残る街、突き刺すような寒さもあるという街が、鹿児島みたいになるとしたら?
「ちょっとしんどいっす。いや、考えられないっすね、この暑さ」
突拍子もなさすぎるイフに大笑いしながら、同時に本当にそうなった時の重さを真摯に受け止めていました。
「これは食い止めないとですね。
そうなるんだったらみんなでなんとかしましょう」
生活者としての実感から率直な想いを口にしました。
それでは、そんな青木選手は、すでにやっていることなどはあるのでしょうか?

話の流れで、こちらが用意した「個人でできる気候アクション」の例を書いたカードを広げると青木選手は、自身がすでに取り組んでいることを話し始めました。
「そんなに意識はしてないんですけど、リサイクルというか、資源ごみの分別はきちんとするようにしています」
環境に関する感度の高さ以前に、シンプルに真面目というか実直な人柄というか…
「あとは水筒を持ち歩くようになりましたね。
普段ちょっと出かける時にも水筒にお茶を入れて。
水筒のほうが氷を入れるとなると便利だって奥さんに言われて、そうだなって思ったので。
あとマイバッグじゃないですけど、買い物にはカゴを持っていくようにしています。なんか袋で重いものを持つのはしんどいので、カゴのほうが持ちやすいなって思って。
それこそエコとかあんまり考えてなかったけど、自然とやっていることもありますね」
カードに書かれた「こまめに電気を消す」「節水」「安全運転はエコ運転」などを眺めながら「地元の食材を選ぶ」を指さしました。
「多分、全部意味があると思うんですけど、この地元の食材を選ぶって、なにがエコにつながっているとかちょっと分からないですね」
確かに分かりづらいので補足すると、例えばアメリカ大陸から太平洋を超えて日本まで牛肉や鶏肉を運ぶには大きいタンカーに積んで運ぶ必要があり、その分の燃料が消費され、CO2が排出されます。
それと比較すると鹿児島で言えば鹿児島産、ひいては国産の肉や野菜などを産地から市場を経由して食卓に並ぶまでの輸送コストは(CO2排出的な意味でも)下がります。
「確かに、そう考えるといいですね」
納得顔の青木選手ですが、移籍してもう1年経って鹿児島の食にも慣れたのではないでしょうか?
「めちゃくちゃ美味しいんですけど、やっぱり魚じゃないですかね。
東京に住んでいた頃はあんまり食べてなかったんですよ。
でも九州に来てから食べはじめて、刺し身も寿司も今は普通に食べますね」

鹿児島生活が長くなるほど意識しませんが、鹿児島の食べ物はやはり他県者から見ると魅力的なようです。
ホームゲーム会場の飲食ブース「ユナマルシェ」でも鹿児島らしいメニューをできるだけ鹿児島の食材を使って提供することを出店者には意識してもらっていますが、環境を意識しなくても結果的に環境に優しくなっている好例でもあります。

ところで青木選手が鹿児島(と長崎)で食べる海の幸に感銘を受けたように、鹿児島は海の豊かな恵みを享受している地域です。
食べものではありませんが、ユニータに隣接する大丸海岸や前之浜、生見などの海岸には絶滅危惧種のアカウミガメが産卵に訪れる、海の豊かさがあふれる場所でもあります。
「本当ですか?!」
青木選手はくりくりと目を輝かせました。
母ガメが産卵して、卵から孵った子ガメが海に旅立つまでの流れを、地元の方々を中心に自然の流れを尊重し、基本的には経過を観測することにとどめています。
それでも台風や高潮で流される危険性があると判断した時は、近隣の小学校や水族館で保管して孵化を待ちますし、ユニータでお預かりしたこともありました。
そして孵化した子ガメの旅立ちを選手たちが見送るという行事が行われたこともあります。
「やりたいですやりたいです、今度、参加させて下さい」
食い気味で青木選手は参加を表明してくれました。
これも気候変動の可能性が指摘されていることですが、喜入に住む人たちにしてみれば「昔は珍しくもなんともなかったのに」と言いますが、喜入で産卵するアカウミガメの数は数十年単位で比較すると減っていることが分かっています。
アカウミガメが上陸する回数自体が減っているし、せっかく上陸して卵を産もうとしても、散乱したゴミに遮られて穴を掘れず、諦めて海に帰っていき、そして母ガメの体内から卵は生存できない海中に流れていく、そんな悲しいことになっているかもしれないと推測されています。
海洋プラスチックごみとは遠い海のように聞こえますが、すぐ近くの話であり、海岸周辺を清掃する喜入地域の方々の活動に、鹿児島ユナイテッドFCが混ぜていただいているのは、このような事情もあるのです。
「ぜひ」
誠実な青木選手のことだから、一生懸命ゴミ拾いもがんばってくれそうです笑!
青木選手はこちらの説明に対して時に真剣に、基本は笑顔で、素直にたくさんの感情を交えながら、「気候変動」という大きすぎるテーマに向き合い、そして素直に「自分にできることをやろう」という意思を示してくれました。
インタビューの締めに、そんな青木選手はこの百年構想リーグという一度しかない、昇格も降格もない特別な大会をどのように捉えているのかをたずねました。

「試合に関してはモチベーションとかもそんなに変わらないです。
でも今何が楽しいって言われたらやっぱり上のチームを倒せること。
鳥栖にも勝ちましたし、自分たちが強いっていう証明にもなると思うので、それは結構モチベーションになります。
あとは同じカテゴリーのチームにも嫌なイメージを植え付けさせて、次のシーズンでも勝てるようにして」
26/27シーズンに向けた長期間のプレシーズンマッチ的な考えではなさそうです。
「そういう考えにはならないっすね。もう自分たちが成長し結果を出すために闘っているリーグです」

青木選手と嵯峨選手に共通しているのはサッカー以外のことに対しても「先のことを見すぎず、ひとつひとつやるべきこと、できることに目を向けて進んでいく」姿勢です。
地球規模の気候変動という立ちすくむようなテーマにおいても、エコバッグやカゴを持ち歩いたり、電気や水を使いすぎないように気をつけたり、マイボトルを持ち歩こうとするとか、「よしやるぞ!」の決心でやるというより、着実にできることを(時に奥さまに指摘されたりしながら)着実に実践しています。
サッカーも、気候アクションも、すべては日常のこと。
青木選手がピッチ内外で見せる姿にご注目下さい。

