【アカデミー】力也コーチ!
こんにちは。
2025年よりU-12コーチの新任となっております、甲斐智大です。
主にU-10、アカデミーで最も年齢の低いカテゴリーを担当させていただいています。
また、アカデミー全体をスポーツ科学の観点からサポートするアカデミーサイエンティストも兼任しております。(こちらの話はまたどこかの機会に…)
鹿児島ユナイテッドFCでは、2021年から2023年までトップチームスポーツサイエンティスト、2024年は強化部強化担当を務めさせていただいておりました。
2018年から2020年までは前職の鹿屋体育大学特任助教をしていた時に共同研究のパートナーとして鹿児島ユナイテッドFCと研究をさせていただいていました。
さて、私の話はここらへんにしておいて、今回のブログでは、一緒にU-10を担当させていただいている、同じく新任の橋口力也を紹介させてください。
「はしぐちりきや」
この名前に聞き覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

力也(以下、彼の愛称で呼ばせていただきます)は去年までU-18でプレーしていたアカデミーの選手でした。
U-15から鹿児島ユナイテッドFCでプレーしており、鹿児島ユナイテッドFCのOBでもある本城コーチ(現ヘッドオブコーチング)の指導も受けている、まさに鹿児島ユナイテッドFCの血が通った選手です。
力也は今まで関わったアカデミーの選手の中でも特に印象深い選手でした。
私自身、トップチームに在籍している頃、恥ずかしい話ですが、アカデミーの選手で名前を知っていたのはトップチームの練習に参加してくれる選手ぐらいでした。



しかし、力也に関しては別で、トップチームの練習に参加せずとも知っているアカデミーの選手でした。
U-18の選手がバスに揺られてユニータに到着する夕方、我々スタッフはユニータの今や懐かしいプレハブでミーティングや分析などを行っていました。
当時はプレハブから離れた場所にトイレや水道、自販機があったので、休憩する時はアカデミーの選手が筋トレをしているジムや、練習の準備をしている人工芝の前を通ることになります。
そこで大概の選手とは軽い挨拶をする程度なのですが、力也に関しては別でした。
私のことを『絡んでも良いヤツ』と認識したのか、「昨日髪切って今日セットしてきたんすよ。カッコよくないですか?」と言った具合にくだらないネタで絡んでくる、どうしようもなく陽気な高校生だった印象が残っています。
『今時の高校生にこんなチョケたヤツいるんだ(笑)』と微笑ましく思う瞬間が多々ありました。
そういう経緯があり、私は彼の名前をアカデミーのホームページで調べ、何でもない練習で彼のプレーを注視した記憶があります。
ダイナミックな動きが特徴のパワフルなFWだったと記憶しています。



そんな彼がアカデミーを卒業し、社会人1年目となり、自らが育ったアカデミーにコーチとして、すぐに帰ってきました。
トップチームのスタッフだった私がアカデミーに関わることになって初めての相方が、夕方の少しピリついた空気感を和らげてくれるアイツだったことが偶然か必然か、何か不思議な縁を感じています。
私がU-10を担当することになって数ヶ月ですが、自分の一番の理解者として一緒に日々のトレーニングに向き合ってくれていると思う日々です。
先述した通り彼には飛び抜けた明るさがあるので、根暗な私はかなり助けられています。
選手を引退してすぐのコーチということもあり、まだまだフィットネスはプロ選手を目指していたレベルそのもの。
選手たちのプレーのお手本になってくれることもあります。
素晴らしいお手本が目の前にいる選手たちが、彼のプレーに目を輝かせている場面を多く見受けます。

他の先を行くクラブがそうであったように、鹿児島ユナイテッドFCの血が通った人間が、新しく鹿児島ユナイテッドFCの門戸を叩いた少年たちに鹿児島ユナイテッドFCの魂を注入していく。
これこそがJリーグのアカデミーのあるべき姿の一つかなと思います。
言い方は良くないかもしれませんが、
「鹿児島ユナイテッドFCの血を濃くしていく作業」
私はこれが、あるJクラブが強くなっていく過程の一つなのかなと信じています。
そうやって、鹿児島ユナイテッドFCが未来永劫『進鹿』して欲しいなと心から願っています。
彼が選手から指導者になることで、まさに『進鹿』しているように。

そして、クラブが新しい方向へと『進鹿』していく中にも力也はいます。
クラブとオフィシャルスポンサーのニコニコタウンきいれ様(医療法人参天会様)の新たな取り組みとして、彼には「ニコニコタウンきいれ様で働きながら、アカデミーの活動時間にコーチとして活動する」という働き方をしてもらっています。
ニコニコタウンきいれ様の深い理解の元、クラブとしての新しい取り組みの中に彼がいます。
クラブとスポンサー企業様の雇用の新しい形態を彼が身をもって体現してくれています。
クラブが次のステップへ進んでいく過程を具現しているのが彼なのかもしれません。
私自身このブログを執筆するにあたって、我々クラブ、アカデミーの人間も、彼が『進鹿』を表現しているように、前に前にと進んでいかないといけないなと、実感する時間となりました。
最後に!
これを読んでいる鹿児島ユナイテッドFCアカデミー選手諸君!
力也コーチのように後退することなく、前進してください。
前に前に!『進鹿』してください!

フットボール本部
U-12コーチ兼アカデミーサイエンティスト
甲斐智大