【9月6日マッチデープログラム】 KUFC MATCHDAY PROGRAM 2025 vol.14
鹿児島ユナイテッドFCのマッチデープログラム電子版。
今回は9月6日に行われる2025明治安田J3リーグ第26節、鹿児島ユナイテッドFC vs 高知ユナイテッドSCのマッチデープログラムです。


2025明治安田J3リーグ第24節
vs AC長野パルセイロ 会場:白波スタジアム(鹿児島県立鴨池陸上競技場)


2025明治安田J3リーグ第25節
vs 福島ユナイテッドFC 会場:とうほう・みんなのスタジアム(福島県福島市)


小林亮ヘッドコーチ コメント(9月2日トレーニング後の記者会見より抜粋)

改めて福島戦を振り返って
ここ数試合は入りの部分で、うまく相手を圧倒することができていた中で、前節はなかなか自分たちの形を作ることができず、福島さんのサッカーに合わせてしまった部分が、試合展開を苦しくしました。
その中で前半に追いつき、後半に逆転するところまでは良かったですが、そこからもやはり受け身になってしまったことで、自分たちの強みが消されてしまい、最終的に追いつかれた形になったのではないかと思います。
リーグ再開後3試合を闘っての手応え
自分たちのサッカーができているときは相手を圧倒できていますし、逆に福島戦のようにそれがなくなってしまうと、やはり相手に隙を与えてしまうということを再確認できました。
福島さんのサッカーはボールを保持する部分が強みで、プレッシングのところでうまく外されてしまった部分があります。そこの整理が選手間でできなかったところが、自分たちの課題です。
そういった部分では、勝ち点3を逃しましたが、この先にとっては重要な勝ち点1になると思います。
攻撃的な姿勢と守備の両立
開幕前からボランチが1枚攻撃に入ってしっかり人数をかけるということは、チームとしてやってきていました。
攻撃をしているときのリスク管理もチームとして取り組んでいる部分なので、リスク管理ができているからこそ、人数をかけて攻撃ができているのではないかと思います。
両サイドバックが上がらないようにしたり、ボランチの1枚が相手の残っている選手をケアする部分であったり、そういったところを徹底しています。
リーグ再開後に結果が出ている要因
前線の選手が少ないチャンスをしっかり決め切ってくれているところがあります。
そこでチームとして流れ、勢いに乗れて、追加点がうまく入るようになったのではないかと思います。
昇格圏が見えてきた今思うこと
首位の背中も見えていますけど、私たちは目の前の試合を一つ一つ意識してやっていくということを、相馬さんも仰っています。
監督も選手たちもそう思っているので、先というよりはまずは次の高知戦に向けて、全員で頑張っていきたいです。
広瀬健太 選手コメント(9月2日トレーニング後の記者会見より抜粋)

自身の調子
やっぱり試合に出させてもらって、コンディションも少しずつ、自分の中でも戻ってきていました。
ただ、前節の福島戦は最後のプレーで悔しい想いをしたので、これを繰り返してはいけないと思います。
この悔しさを今週の試合にぶつけたいです。
福島戦で最後に失点した場面を振り返って
個人の部分で言うと、相手のフォワードの選手が自分から消える動きをして、僕はボールを見てしまい、かぶってしまった形になってしまいました。
ただ、その前の全体的な守備のところで、下がりすぎてしまった部分もあったので、ああいうところで試合を締め切る力は、まだまだ僕たちには足りないところです。
ディフェンスラインでしっかりコミュニケーションを取り、全体を押し上げられるように取り組んでいきたいと思います。
あの時間帯は疲れもあり、判断が鈍ることは分かっていました。
相手に一度裏を取られた後、バックパスのときにラインをもう少し上げられたのではないかとか、あとは本当に個人の部分で、あそこはマンツーマンにするべきだったとか、色々な話はあります。
ただ、もう一度自分を見つめ直して、その悔しさを次のプレーへの力に変えたいです。
リーグ再開後3試合2失点の守備について
守備陣単独というよりは、チーム全体の守備の強度が高いからこそ抑えられている部分もあると思います。
ただ、再開後の2試合は失点ゼロに抑えられましたけど、相手のクオリティーに助けられている部分が多かったので、ゼロで抑えていても、自分たちはまだまだだなと思っていました。
また前節2失点してしまったので、今週はクリーンシートを達成できるように、もう一度練習から取り組んでいきたいです。
守備の成長した点と課題
相手がボールを持たれている時間帯は、少しはがされる部分もありますが、フォワードや前線の選手がプレスバックしてをかけてくれて、ボールを奪えるシーンが多いです。
そこからショートカウンターで得点を奪うのは僕たちの長所でもあるので、今後も続けていきたいです。
押し込めれば、後ろの選手はセカンドボールを拾いやすくなるので、ディフェンスラインを前に押し上げるとか、全体的にもう少し押し上げることができたらと思います。
福島戦では相手がボールを持つのが上手いことは分かっていましたが、そこでディフェンスラインが下がってしまうと、中盤との間に隙間が空いてしまいます。
ディフェンスラインがもっと押し上げることで、全体の距離感がよくなります。
時間帯もありますが、勝っている状況で受け身になってしまったというところが大きかったと思います。
そこで攻撃に出て、もう1点2点取れればまた違う展開になったと思います。
全体が重くなってしまったところを、全員で話し合い、「最後はきついけど、全体で攻撃にいこう」という話を、もっとできたらなと思いました。
最後の失点も、ペナルティーエリアの中で仕事をさせてしまっているので、そこをどう止めるか、もう一度みんなで見つめ直したいと思います。
久しぶりのフル出場について
福島は比較的涼しく、コンディション的にも自分的にはやりやすかったです。
まず90分間怪我なくやれたことは良かったですが、勝ちにつなげられていないので、まだまだ選手として努力して、チームを勝たせられる選手になっていきたいです。
これから優勝昇格争いで必要なこと
最終戦に近づくにつれて、ひりつく厳しい試合が増えてきますが、1対0といった試合が鍵になってくると思います。
そのなかでもセットプレーは非常に大事になってくると思います。
今週末に向けて
前節悔しい想いをしましたが、今週はホームでできます。
皆さまといっしょに勝って、喜びたいと思います。
山口卓己 選手コメント(9月2日トレーニング後の記者会見より抜粋)

前節セットプレーでゴールできたこと
セットプレーのキッカーをやらせてもらっていて、本数も多い中で、なかなか得点につながりませんでした。
僕自身も本当に責任を感じています。
その意味で狙っていたところに蹴れて得点につながったことは、個人としてもチームとしてもプラスになったと思います。
スタッフ陣がここを狙っていくというところを提示してくれるので、それに合わせて自分がいいボールを蹴れば、おのずと点が取れるんじゃないかなと思います。
中を信じて、いいボールを蹴りたいです。
アシストは2つついて、個人の結果も大事ですが、今はチームの勝利が一番欲しいので、勝利につなげられなかったことはまだまだです。
リーグ再開前後で変わったこと
変化というよりは、ベースとしてやってきた「戦う、走る」という部分が、ひとつレベルアップしたのではないかと思います。
そこができれば、負ける試合はないと思っています。
前節の守備
後半はある程度修正できて、前からプレスをかけてはめられるシーンもあったのですが、前半はやはり前からのプレッシングがなかなかかからず、自分たちも上がることができなくて、自分たちの陣地でサッカーをする時間が多くなってしまいました。
それがゲームを難しくした要因だと思います。
各クラブ2度目の対戦になる後半戦に向けて
相手のサッカーや狙っているところ、相手の空いているスペースは分かっていますが、対策に縛られてしまうと、どうしても相手に対応するサッカーになってしまいます。
そうではなく、相手がどんなサッカーをしてきても、自分たちがやるサッカーは変わらないので、それができているときは勝てているのではないかと思います。
高知戦に向けて
前線に能力の高い選手がいて、シンプルなサッカーで、前にアグレッシブにボールをかけてくる、自分たちと似たようなサッカーをしてくるのではないかと思っています。
そこで圧倒できれば勝てるのではないかと思います。
コラム「鹿児島をもっとひとつに。vol.51(Total vol.63)」
岩下尚央さん(株式会社明興テクノス)

鹿児島市小松原に構える本社を訪問すると、応対してくださったのは中堅くらいの年齢の男性でした。
明興テクノスのロゴが入ったポロシャツを着ていて、差し出された名刺には「システム開発部 システム課」の肩書。
企業の取材といえば経営者、管理職、広報などが定番ですが今回は、、、歴の長い鹿児島ユナイテッドFCのサポーターさんでした。
平日は社会インフラを担う本業に励み、週末はユナイテッド三昧な岩下さんの穏やかそうな見た目に反して濃厚な想いをお届けします。
鹿児島ユナイテッドFCとの出合い
岩下さんは鹿児島県志布志市生まれ。
幼なじみといっしょに小学生、中学生とサッカー少年でしたが、競技としてのサッカーはそこで区切られます。
もともとパソコンが好きだった岩下さんは、地元の高校を卒業すると鹿児島市の原田学園系列の鹿児島ハイテク専門学校(現在は鹿児島キャリアデザイン専門学校)でシステムの勉強を重ねます。
卒業とともにシステム職として就職したのが明興テクノス。
2011年の東日本大震災と重なるタイミングで、世の中が激変する中で社会人生活がはじまり…サッカーの話は全然出てきませんが…
2014-15シーズンをJFLで闘った鹿児島ユナイテッドFCは、2016シーズンからJ3リーグを舞台に闘うことになりました。
「友人が“鹿児島がプロリーグに参入したから観に行こうぜ”って誘ってくれて。残念ながら開幕戦は行けなかったのですが、それ以降はちょくちょく行っていました」
Jリーグ1年生のユナイテッドを、10年目の今振り返るとどんな印象を受けたのでしょうか?

「お祭りのようですごく賑やかで楽しいなって最初に思いました。
サッカーだけだと思っていたので、あんなに屋台が出ているのがまず衝撃でしたね。
その時は友だちの姪っ子さんといっしょにいって、ピカチュウと遊んでいて、お祭り気分で本当に楽しんでいたのかもしれません」
今のユナマルシェや来場者数に比べると、こじんまりしているかもしれませんが「サッカー以外の時間も楽しめるユナイテッド」の原点は変わりません。
それではピッチ上のこと、選手のことはどうご覧になっていたのでしょう。

「サッカー経験者として」と聞かれた岩下さんは照れ笑いと苦笑いが混じった笑顔を浮かべました。
「経験がまったくないわけではないので“ああこういうことをやっているんだ”とか視点はありました。
選手ではやっぱり藤本(憲明)選手じゃないですか。あとは五領(淳樹)選手とか。
好きだったのはちょっと後の選手ですけど、藤澤(典隆)選手とか田中(奏一)選手。僕自身がサイドバックというかディフェンスだったんですけど、サイドバックの動きが自分の知っているサイドバックの動きじゃなかったんですよ。“あんなに攻め上がるサイドバックがいるんだ”ってそこが見ていて一番違うなって思いました。
あと2019シーズンのJ2開幕戦で藤澤選手のあのロングシュートも衝撃でした。雨の日だったんですけど、あれは痺れましたね」
ユナイテッドの話になると岩下さんの話は止まる気配がありませんが、2018シーズンに初のJ2昇格を達成した時の中心選手とはいえサイドバックの藤澤選手と田中奏一選手の名前が挙がるあたり、相当に濃いです。

とはいえサッカー経験者あるあると言えば、観るサッカーにはあまり関心がなく、年に1回とか何年かに1回地元のJクラブの試合を観るくらいという方は少なくありません。
その点でサッカー経験者であり、ほとんどのホームゲームに通うサポーターでもある岩下さんの言葉は興味深いものがあります。
「印象に残っているのは勝った試合もそうですし、負けた試合もそうですけど、一番印象深いのはやはり10,000人を超えた試合ですね。
J2に上がる年に沼津戦で10,000人以上が集まった時もすごく印象的ですし、みんなで盛り上がっているのがやっぱり楽しいのかな、というのはあります。
この間の(10,238名が来場した)相模原もそうでしたし、みんなで盛り上がっていくのが好きなのかもしれませんね。
私が初めて行ったころ、雨が降ったらものすごく少ない中を友だちと観たりとか、それが今では雨でも3,000人は来ますもんね。“当時と比べると全然違うよね”という話をしながら観戦していました」
こうしてユナイテッドのある生活をサポーターとして楽しんでいた岩下さんですが、2019シーズンにちょっとした変化が生まれます。
岩下さんが勤務する明興テクノスがベンチ屋根に横断幕を掲出するオフィシャルスポンサーになったのです。

「私、何も知らなかったんですよ。ただ当時は副社長だった今の社長から“スポンサーになった”と言われて」
その時のリアクションが良すぎたのでしょう、岩下さんは山ノ内元治社長に「ユナイテッド好き」で認識されるきっかけになりました。
山ノ内社長は現在、マーケティング部門で経営者としての知見を期待され鹿児島県サッカー協会の副会長にも名を連ねてらっしゃいますし、サッカーに関わることに必然性があったのかもしれませんが、スポンサー企業になった経緯については岩下さんも首を捻るばかりです。
ここで少しユナイテッドから離れて明興テクノスのお話へ移ります。
電機と水道のインフラ企業

昭和21年に日置市で明興テクノスの前身「明興電機商会」が創業されました。
その沿革は公式ホームページを観るだけでも昭和史が反映されていて興味深いものですので、よろしければご覧ください。
大幅に割愛してお伝えすると、工場や農場で使う器具の電機面での補修などを行いながら徐々に事業規模が拡大していきます。
昭和32年に上下水道の自動制御・計装工事の事業に参入したことで現在にいたる方向性がほぼ定まりました。
上下水道、工場、産業廃棄物の処理場、発電所、ダム、学校、住宅など様々な意味での「社会のインフラ」において、電気・計装設備の建設工事、及び各種配電盤製作や監視ソフトの開発や設備監視業務などを行っているのが現在の明興テクノスの社業になります。
そんな企業に岩下さんはどういう経緯で入られたのでしょうか?

「うちの会社にシステム開発部が今あるんですけど、そういった会社が地元にないか専門学校の頃に探していたところ、見つけたのが今の会社なんです。それで応募して、縁があって、入ることができました」
岩下さんが主に担当するのは水道施設の監視システムです。
「“中央監視制御装置”などあまりなじみのない言葉だと思いますが、そういった設備の監視管理、制御を行っているシステムを構築する作業を行っています。あとは監視ができるまでのネットワーク機器の構成を考えて設計して、お客さまに納入します」
素人には「きちんと水道が機能するための管理システムの構築と管理」くらいしか分かりませんが、私たちの生活に欠かせないことは痛感しています。
「水道施設の監視というのは各自治体や委託された企業さんが行っているのですが、ライフラインなので24時間365日の監視運用を求められます。
これは大きな負担になるので、その一部を業務委託という形でうちの会社が受託しています」
会社のルーツでもある日置市には今も大きな工場があります。
配電盤の設計制作と運用は別々の業者担当するものですが、明興テクノスは現場をコントロールするための配電盤を日置の工場で制作していること、できることが強みでもあります。

ところで明興テクノスに入社して14年になる岩下さんは、どんなところにやりがいを見出してらっしゃるのでしょうか?
「最初はがむしゃらだったんですけど、出来上がったときや完成した時の楽しさはやっぱりありますね。
自分がやったものが無事に動作しているのを観ると“ああ、この動きでプログラミングしたのがちゃんと動いているんだな”と実感できます。
あと通信とか色々な技術、規格があったりするので、まだ知らないものを身につけていく楽しさもあります。
こういうシステム関係なので新しい技術も出てきますし、それができた時はやっぱりなんだかんだで楽しいですね。
FAシステム(Factory Automation=工場自動化システム)とかそういう言葉もありますが、みなさんが考えられているプログラミングとは少し違う特殊な世界でもあります。
私も最初は“は?”ってなりました。
本当に知らない分野だったのでノウハウを身につけるのに苦労したところはあります」
サッカー以外のことも丁寧にたっぷりお話してくださる岩下さんでした笑

ユナイテッドを応援するサポーターとして
明興テクノスがスポンサーになってからも、岩下さんのスタンスはあまり変わりません。
ほとんどのホームゲームに顔を出しています。
「昔はバックスタンドでぴょんぴょん友だちと跳びはねたりもしていましたよ。最近はもうあまりいかなくなりましたけど。あれは疲れるんですよね。
最近はちょっと体力が落ちているし笑、スポンサーチケットをいただいているのでメインS席だったり、追加料金をお支払いしてバックスタンドで座って観ていたり、色々ですね」
2023シーズンから明興テクノスがアップウェアにロゴを掲出するオフィシャルパートナーになったことで、ホームゲームでマッチデースポンサーをすることにもなりました。

その試合は2023年9月2日のFC岐阜戦。
就任したばかりの大島康明監督にとってのホーム初陣。
昇格圏と勝ち点差があるなかで、なんとか勢いを持ってきたいと臨んだ一戦。
「この試合も印象に残っています。山口選手が先制点を決めて、それこそ藤本選手がすごかったですよね。あの2発で勝てて良かったですね、本当に」
場外でコラボハリセンを配っていたため社長の始球式を観ることはできませんでしたが、試合そのものはスペシャルマッチスポンサー向けに用意されたエキサイティングシートで観ていた岩下さん。

「もう特等席で見せてもらいました」と1人のサポーターとして感動しきりです。
「自分は基本的にスタッフとして動くので盛り上げていきたいなというのがあるんですけど、社長も言われていたんですけど、この岐阜戦からJ3で勝ちだしたじゃないですか。その転機になれればいいな、ここから盛り上がって勝ってくれればいいなとは思っています。
この時も大島監督になって岐阜に勝ってから愛媛にも勝って。
個人的なことを言うと岐阜とはいっしょにJ2から降格してきて、縁があったじゃないですか。
あのルカオ選手の劇的ゴールもすごかったですね。私、観に行きました」
2019年10月30日、水曜日の19時に行われたFC岐阜戦。
岩下さんは仕事を終えてから友だちといっしょに見届けましたが、平日の夜にがんばった甲斐が十分にあったようです。
「これで残留できると思っていたんですけど」
結果的に1シーズンでのJ3降格が決まった2019シーズン最終戦、岩下さんは体調を崩し、DAZNでその景色を観ることになりました。
サポーターとしても失意の時であり、同時に自分が務める明興テクノスも1シーズンでスポンサーを降りるのではないかという危惧がありました。
「いや、撤退するんじゃないかなと思っていましたけど、そこは社長が“継続する”と言ってくださって継続になり、“ありがたいな”と思っていました。けっこう他の企業の方々もスポンサーを降りてらっしゃいましたからね」
それどころか2020年から2022年にかけてのコロナ禍が徐々に落ち着いてくると、2023シーズンからはオフィシャルパートナーにランクアップされています。
こうなると公益性を考えた経営者の判断と、個人の想いが深く融合していることがうかがえます。
「スタジアムに行くとふとした時に社長が来られていて、“お疲れ様です”ってあいさつしています。
それで会社の同僚が結婚した日がちょうど夕方のホームゲームと重なったことがあったんです。
結婚式が午前中からあって、終わってスタジアムに着いたら社長がいらしていて。
社長もその結婚式に来られていたんですよ。
それで1日に2回も会って笑
結婚式の後だから行くのは僕くらいだろうなと思っていたんですけど、あれはすごかったですね」

明興テクノスがスポンサーになって以来、サポーターとして社内では通っている岩下さんには色々と声がかけられていて、ちょっとした「共通言語」にもなっていることが実感されます。
しかし昨シーズン、9月7日のスペシャルマッチはいわきFCに1-3で敗戦し、岩下さんにとっても様々な意味でつらい一日になりました。
「その次の(0-2で敗戦した)熊本戦もそうですし、この試合も、試合後の雰囲気含めてちょっと辛かったですね」
そしてチームは8連敗を喫するなどJ2残留に向けた勝ち点を積み上げることができず、10月25日のアウェイ長崎戦でJ3降格が決定しました。
前回の降格時は福岡に行くことはできませんでしたが、今回の長崎には馳せ参じました。
「九州内のアウェイでしたし、あとはやはり街なかにある最新のスタジアムを観てみたいので、友だちと行きました。
可能性は少しでもあったわけですし、それを信じて、というのもありました。
もうみんなある程度覚悟はしていたとは思いますけど、それでも信じて応援して。
だから実際にあの試合の空間は辛かったですよね」
そしてシーズン終了前後のタイミングで、ずっと観てきた藤本選手や五領選手が契約満了に伴い退団することが発表されました。
「覚悟はしていました。降格した時点でそうなるだろうと。それがもうサッカーの世界じゃないですか。
ただ正直に言うと五領選手は残るんじゃないかなと思っていたんですけど、彼もこうなるんだって。
でもごっそり変わったならもうしょうがないかなと。
そうしないと生き残っていけないですからね」

それでも岩下さんは変わることなく2025シーズンもスタジアム通いを続けていますし、明興テクノスも変わることなくオフィシャルパートナーとしてクラブのサポートを続けてくださっています。
どんなタイミングでもクラブへのサポートはありがたいことですが、降格したタイミングで、それでも鹿児島ユナイテッドFCに関わる意思を示してくださりました。
スポンサーだけでなくサポーターやその他のステークホルダー、あるいはプレーすることを選んでくれる選手やスタッフも含めてたくさんの想いがあって、鹿児島ユナイテッドFCがリーグを闘えている今は、決して当たり前のことだと思ってはいけないと再認識させてくれます。
停電や断水などのトラブルがあってはじめて、生活インフラが整っている当たり前が、当たり前ではないと再認識させてくれるように。
その「当たり前」のために平日の岩下さんは明興テクノスという企業で、力を尽くしてらっしゃいます。
2025シーズンのユナイテッドと岩下さん
ここまで深く鹿児島ユナイテッドFCを応援してくださっている岩下さんですが、将来的にどんなクラブになっていって欲しいのでしょうか?
「皆さん、言われることだと思いますけど、まずはJ2定着ですよね。
観ていて思うのは、アウェイからも含めてお客さんの入りがぜんぜん違うじゃないですか。去年は清水エスパルスとか、2019年の柏レイソルが来た時も異様に盛り上がって。あれもすごく印象に残っているんですよ。
地域活性とかいろいろと言われていますけど、経済効果ってすごいじゃないですか。
だから今後、鹿児島が盛り上がっていくんだったら、やっぱりJ2に行って定着して欲しいと個人的には思っていたりします」

この話題になるとセットでスタジアムの話になります。
「署名もしました。友だちがみんなでやろうって集めてくれたんです。
今も悪くはないんですけど、長崎の新スタジアムを見てきて、実はたまたま広島に行く機会があった時にそのままスタジアムも見てきたんです。やっぱりサッカースタジアムはいいですね。フィールドが近いと全然違いますね。
鹿児島も必要だと思いますよ。
白波スタジアムもサッカーで使うから陸上競技が他の場所でやられているっていう話も聞いたりするので、作ってほしいというか必要だなと思いますね」
岩下さんはコロナ禍の2021年にご結婚され、今は2歳のお子さまがいらっしゃいます。
今にして思うと寂しいスタジアムでしたが唯一、座席スペースにゆとりがあったことだけは数少ない利点でした。
奥さまは今シーズン、選手の顔ぶれが大きく変わって「覚えられない」とぼやいたこともありましたが、主に自宅観戦ではいっしょに応援しています。
スタジアムでは幼稚園時代からの幼なじみをはじめ、旧友たちといっしょに観戦していて「ユナイテッドがなければこの歳になって、こんなにいっしょになる機会はない」としみじみ。
そのつながりという意味では、志布志のお父さんも含まれます。
「一番最初に連れて行ったのが(2023シーズン開幕戦の)FC大阪戦だったんですよ」

開始直後に先制されて、広瀬選手のヘディングなどで、最後の約5分で逆転した一戦です。
「あれで父がどハマりして最近はたまに志布志から鴨池港まで来てもらって、それを拾って連れて行っています。
毎回2時間以上かけて、大変なのに父もよく来ますよね。
まあ仕事も引退しているので楽しみが欲しいのかもしれません。
前は仕事が忙しすぎたというのもあったんですけど、口下手な方でもあったし仕事一筋でもあったので、自分がサッカーをしていた頃には全然しゃべらなかったのに、今のほうが父とのコミュニケーションが増えているかもしれません。そういうのもありがたい話ですね」
そしてやはりというべきか、ピッチ上の話になると岩下さんの言葉は止まりません。
「今年のチームはおもしろいですよ。
ちょっと失礼かもしれませんが、自分は守備が大事だと思っている人間だったので、今まで最初の15分とかで失点していたのがずっと気になっていたんです。だから今シーズンはすごいなと。
あの守備でプレスに行った時の連携がすごく良いなと思いながら見ています。
もともとディフェンスが好きで、ディフェンスの選手に注目することが多いので、広瀬選手や相馬(丞)選手もすごく良いなって思っています。
それから千布(一輝)選手もすごいなと思います。ボランチからセンターバックをやっていますし、大丈夫かなと思っていたらもうすごいですよね。本職に比べたら対人はもっと良くできると思いますけど、現時点でもすごいと思います」

もちろんサイドバック好きとして青木義孝選手と杉井颯選手は攻守両面において「大満足」ですし、ボランチも最近出ているジョアオ選手も山口卓己選手にも感嘆するばかりです。
特に山口選手はスポンサー交流会で話をした時に「若いから走ってなんぼです」と言われたことが印象的に残っているそうです。
「身長は低いほうじゃないですか。でもあれだけ試合に出られて、競り合いにも勝っていたりするからすごいなって思います。身体の入れ方とか、すごいがんばっているんだろうなって」
もちろん出場機会を減らしている渡邉(英祐)選手も稲葉(修土)選手も、前線の選手も誰も彼もこちらが名前を挙げるたびに「あれがいいですよね」「これがいいですよね」と言葉は止まりませんし、これまで在籍した選手たちに対しても敬意の言葉が止まりません。
穏やかな語り口からたくさんの想いが止まることなく、しかしネガティブな表現はほとんど出てきません。
ちなみにリミテッドユニフォームは広瀬選手の4番にするつもりでしたが、「足の速さで1対1で競り勝った時のスタジアムの湧き上がり」も印象深い相馬選手の21番を選びました。

もちろん個人個人に加えて、チーム全体としても今シーズンの鹿児島ユナイテッドFCを楽しんでらっしゃいます。
「もう派手というか特殊というか。相馬監督は守備の方を固めていくのかなと思っていたんですけど、気がつけばリーグトップの得点で。
ポゼッション率は低いけれど、そういうサッカーなんだと思っています。
前線でプレスをかけてひっかけて、そこで奪って一気にみんなで行くという。
ポゼッションサッカーも観ていて楽しいですけど、こういうのもサッカーだと思っているので好きですよ」
岩下さんは良い時も悪い時も鹿児島ユナイテッドFCを応援してこられて、その瞬間瞬間の喜怒哀楽を存分に堪能されていました。


…と、実はこの取材は福島ユナイテッドFC戦の前日に行ったものでした。
4連勝、夏の中断期間明けの2試合は3-0、6-0の大勝が続く最高の雰囲気でしたら饒舌になろうというもの。
しかしその翌日の福島戦は一度は逆転しながら終了間際の失点で追いつかれてのドロー決着。
今、岩下さんはどんな事を考えてらっしゃるのでしょうか?
あらためて岩下さんに連絡をしてみました。
「正直“やっぱり”と思ってしまいました苦笑
試合運びがリードしている中でも前への意識が強すぎたような気もしましたし、けれど長野戦がうまくいき過ぎたのかもと思ったりします。
福島も8,000人プロジェクトで選手みずからビラ配りをしていたとのことで、人一倍想いがあったと思います。
その中で負けなかったことは良かったと考えることにしています。
“それもサッカー”ということで」
そして「めちゃくちゃ悔しいですが…」と言葉を続けました。
「だからこそ次のホーム戦では負けられませんし、応援も盛り上げていきたいです。
狙うは優勝、J2昇格、また連勝街道をいけますように。
次の高知戦はその一歩になればと思っています」

会社概要
社名/株式会社 明興テクノス
代表者/代表取締役社長 山ノ内元治
本社所在地/鹿児島市小松原1丁目10番8号
創業/昭和21年2月1日
従業員数/222名
