【6月6日マッチデープログラム】UNITED TIMES2021 vol.05
鹿児島ユナイテッドFCマッチデープログラム「UNITED TIMES」。
今回は2021明治安田生命J3リーグ第10節 鹿児島ユナイテッドFC vs カマタマーレ讃岐のマッチデープログラムです。
日程表・順位表・テキスト速報
前回までのあらすじ
藤枝MYFCをホーム鴨池に迎えた5月15日の第8節。
激しい雨が降る中でキックオフしたが、雷雨の影響による2度の中断を挟むことになる。
心身ともにハードなゲームのなかで何度かチャンスを作る鹿児島だが、ゴールを奪うことができない。
逆に終盤の75分、82分、85分と3失点を喫して第7節の岩手戦に続いての連敗となった。
翌週23日は天皇杯1回戦で、南さつま市のOSAKO YUYA stadiumにて長崎県代表のMD長崎と対戦。
主導権を握りながらもゴールを奪えなかったが、前半終了間際に途中出場の山本駿亮が先制点を奪う。
後半は米澤令衣の2点目に続き、石津快と山谷侑士が追加点。
山本、石津、山谷の3人が加入後の初ゴールを決めて2回戦進出を決めた。
28日、アーサー パパス監督が家族の事情により退任。
クラブ内外に衝撃が走る中、それでも2日後の30日はアウェイ長野で、AC長野パルセイロとのアウェイ戦を迎える。
ヘッドコーチから急きょ務めることになった大島康明監督のもと、選手たちは強い気持ちでこの難局に立ち向かう。
前半から激しくボールを奪いに行き、身体を張ってゴールを守り、チャンスと見るとシュートを打っていく。
29分、米澤令衣が狭いスペースで打ったシュートが決まって先制する。
60分にセットプレーから押し込まれて同点とされる。
それでも鹿児島は前へ進む。
その直後の63分、同じくセットプレーからこぼれたボールを八反田康平が正確なタッチでゴール前に送り、ウェズレイがしっかりと合わせて勝ち越し。
終盤は長野が猛攻をしかけるが、鹿児島は粘り強く防ぎ、2-1で勝利した。
そして今節はホーム鴨池にカマタマーレ讃岐を迎える。
この試合でも鹿児島ユナイテッドFCの選手たちは強い気持ちを示し、観客と一体となって勝利へ進み続ける。
監督・選手インタビュー
大島康明 監督(6月3日の共同記者会見より)
今週末の讃岐戦に関しては1日1日のトレーニングを100%やっていって讃岐戦を迎えることが大事です。
どの試合もそうですが、必ず勝利すると、100%の気持ちで目指すというところを頭に置いた中で、進んで行きたいと思っています。
◇初めて監督を務めた長野戦を振り返って
準備期間がほとんどなかったなかでゲームという形でしたが、前日の練習における選手の様子を見ていて、選手たちの結束力に安心感を与えてもらった中で試合に臨むことができました。
試合当日に関しては、プレッシャーはあるなかでも、自分が想定していたよりも落ち着いた状態で挑めたと思います。
コーチで見える景色と、監督で見る景色はこれほど違うのかというものは実際にありました。
◇選手のメンタリティについて
1対1の部分やプレーの激しさが今回のゲームは、見ている人たちに対してすごく熱いものを受け取ってもらえたのではないかと思っています。
そのなかでやっぱり自分が感じたのは、こういう状況のなかで鹿児島らしさです。
このクラブはフロントやスタッフ、選手が結束することで強みが出るクラブなので、そういうものが前面に出たのではないかと思います。
◇パパス監督から引き継いで意識すること
大きな変化を出そうとは考えていません。
今まで作ってきたものを前面に出しながら、選手たちとさらに上乗せしていく、中長期のことを考えるのではなく1日1日、100%でやることを意識していきたいです。
パパス監督の路線と同じかどうかと言えば、大きく言えばそう思ってもらっていいと思います。
◇選手との密なコミュニケーションについて
スタッフの人員が物理的に減っているので、各自がより多くの仕事をする中で、コーチングの回数や量は多かったとは思います。
ただ最後のポゼッションのトレーニングなどで、選手同士でコミュニケーションが多く見られたので、うまく使い分けながらやっていければと思います。
◇クラブに長くいるものとして感じる視点
やっぱりこの鹿児島というクラブの良さは結束力であったり、1足す1を2ではなく3や4にできることは大きく感じています。
自分が今やるべきことは細かい戦術じゃなくて、1足す1を4、5、6と増やしていく作業をどうするかが一番だと思います。
◇カマタマーレ讃岐の印象
選手の並びが3-3-2-2であったりして、自分たちの並びと噛み合わないミスマッチになるゲームなので、そういった部分では整理して臨む必要があります。
ただ自分たちのサッカーを前面に押し出すことは変わりないので、まずは相手というよりも自分たちの連携の精度を高めていくことがウェイトとしては大きくなります。
◇夏の中断までの期間で意識すること
選手にも言っていますが、1日1日、1試合1試合が勝負なので、前の前のものに全力で取り組んでいって、クラブの掲げた目標に近づく、取りに行くことを我々はプロフェッショナルとして、そこに向かって進むだけです。
木出雄斗選手(6月3日の共同記者会見より)
デビュー戦で勝利できたことは、自分にとってもとても自信になりました。
チームにとっても監督交代という難しい状況、連敗していましたし、自分がしっかり活躍して勝利に貢献できればと思っていたので、とても良かったです。
讃岐戦でも出場できれば持ち味である攻撃の部分と、粘り強い守備を発揮して勝利に貢献できるようにしたいです。
◇リーグ戦初出場について
自分としても怪我人がでた時、チームがピンチの時に出番がきたらしっかりとチームに貢献することを意識して準備していたので、その結果が出たことに満足しています。
試合の前日練習の時から選手とスタッフと全員で一体感を持ってやろうと言っていたので、自分としても初出場ということはありましたが、それ以上にチームのためにという想いが強く、それが自分のプレーにも出て、チームの結果にもつながりました。
◇自身の持ち味について
自分の持ち味としては攻撃、チームに勢いをつけるというところは持ち味だと思っています。オーバーラップ、インナーラップからのシュートやクロスは練習から常に意識しているところだったので、それが試合にも出たので良かったと思います。
また、常に大島さんから思い切ってプレーしろと言われていたので、それを試合に出せました。
ですので、GKとの1対1のシュートのところまで行けたのは良かったですが、あのシーンを決めきれないとチームとして厳しい状況が続くことは分かっていたので、次の試合ではしっかり決めてチームに貢献したいです。
◇取材中の木出選手に声をかけてきた選手について
(米澤)令衣さんがいじってきました(笑)。
長野戦では同じ左サイドで組むということで、色々なことを教えてもらいましたし、「思い切ってどんどん上がっていいよ」と言ってくれて、とてもやりやすかったです
サイドを組む上でコミュニケーションが大事なので、積極的にコミュニケーションをとって良い連携を見せられればと思います。
でも、自分の方から令衣さんをいじるのは無理です(笑)。
◇カマタマーレ讃岐戦に向けて
自分としてはしっかり次の試合に向けて準備して、まだスタメンを勝ち取ったわけではないので、日々の練習から意識して、チームのために、自分が練習からアピールして試合に出ることを意識したいです。
八反田康平 選手(6月3日の共同記者会見より)
長野戦は監督が退任した直後の試合ということで、みんな様々な想いがあるなかでのゲームでしたが、リーグ戦連敗していましたし、絶対にこの試合を勝ち取るという強い気持ちのもと、しっかり長野戦に集中してアウェイで勝ちを持ってこれた、チームとしていい試合ができました。
次の讃岐戦はホームですが、前回は監督が退任というなかなかない状況でチームがひとつにまとまれた、外的な要因でまとまれたと思っています。
あのまとまりをこの間の試合だけにすることではなく、これまでよりもさらにいい試合を続けていきたいので、一丸となって勝利を目指していきたいです。
◇パパス監督退任について
僕たちも本当に何も知らない状況でいきなり聞かされたので、正直びっくりしました。
ただボス(パパス前監督)も僕たちの前で経緯を話してくれて、なかなか切り替えるのは難しかったと思いますが、試合が2日後だったので、もうその試合に向けてやるしかないという風にみんな覚悟を決めて、しっかりと長野戦に向けて全員で目標に向かって取り組むことができました。
◇大島監督について
もちろん人が違うのでそっくりそのままではありませんが、もちろんボスが残したこと、やろうとしていた形は続けながら、そこに大島さんが色々と自分の考えだったり、アイデアを付け加えてくれると思います。
良いところを続けながら、少しずつ新しい色を出してもらいたいです。
僕たちはピッチでやるだけなので、しっかりとそのやり方のなかで、続けていくところと自分たちで考えられるところは、出していきたいです。
◇長野戦での攻撃参加について
特別に意識したということはありませんが、少しでも前のスペースがあったら自分でボールを運んだり、ゴールに絡むようなプレーはもっともっと出したいと思っているので、それがより積極的に出せた試合かなと思います。
◇チームが結束できた要因について
監督が急に退任されたこと、自分たち選手もコーチングスタッフも急なことで時間がない中でどういう体制でやるのか、監督がやっていたスタイルでいくのか、変えるのか、様々あったと思います。
監督が変わって「ああいうことがあったから負けてもしょうがないよね」「そういう厳しい状況だったからね」みたいなことは言われたくなくて、だから絶対に落とせないぞという気持ちを、それぞれの強い想いがより高まった試合になったのかなと思います。
もう本当に退任が決まってから自分たちはやるしかないので、大島さんも時間がない中で、「自分たちはやるしかないと、覚悟を持ってやるしかない」とおっしゃっていました。
僕もその通りだと思うし、あくまでも監督がいてもプレーするのはピッチの僕たちなので、しっかり僕たちがピッチで責任をもって戦うことができれば、大丈夫かなと思っていました。
◇怪我人が出ているなかで前を向ける理由
毎日の練習の中でみんなが100%で取り組めているのが一番大きいと思います。
怪我人が出ている中でも代わりに出場する選手が活躍したり、天皇杯で若い選手が点取ったり活躍しています。
良い競争がチームでできていて、勝利がついてくるとチームとしてポジティブな雰囲気になれます。
誰が出ても大丈夫な準備ができていますし、チーム内でもさらに良い競争と誰が出てもチームが勝てるという雰囲気にもっともっとなっていければと思います。
◇今シーズンここまでの自身を振り返って
今までとなにか違うことはそんなに大きくないかと思っています。
毎試合チームのバランスを取りながらですが、攻撃が好きなのでチャンスがあればもっと積極的に絡んでいきたいです。
とはいえ一番はチームが勝つことが大事なことですので、そのために少しでも貢献できながらと思いながらやっています。
長野戦やその前の試合からは自分の中でもまだまだこの年になっても身体は動くなと感じています。
それは練習から100%で毎日取り組んでいる成果かなと思いますし、チームの雰囲気やボスのチームへの取り組みが活きてきて、90分走れているので今身体の状態としては鹿児島に来た中でも良いほうだと思っています。
◇8位という順位について
僕たちの目標はJ3優勝とJ2昇格が最初からの目標なので、全然満足していないですし、この時点で3敗しています。
これからひとつも落とせない状況なので、危機感をもって1試合1試合を大切に頑張っていきたいです。
◇若手に伝えたいこと
僕がなにか先輩として言えることはありませんけど、若い選手は公式戦の1試合とか、短い期間ですごく成長を遂げて、自分でチャンスをもっともっと掴めます。
試合に出た時にはそのチャンスを絶対に掴んで欲しいですし、その若い選手に負けないように僕たちもお互い切磋琢磨していければ、チームとしてもっと強くなるでしょう。
若い選手の活躍をサポートしつつ、負けないように頑張りたいです。