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2022.07.16 試合情報

【7月17日マッチデープログラム】 KUFC MATCHDAY PROGRAM 2022 vol.09

鹿児島ユナイテッドFCのマッチデープログラム電子版。
今回は7月17日に行われる2022明治安田生命J3リーグ第17節、鹿児島ユナイテッドFC vs SC相模原 のマッチデープログラムです。

日程表・順位表・テキスト速報

前回までの振り返り~苦しいチーム状況でもひとつのチームは勝利を目指す~

前節、ギラヴァンツ北九州に逆転で勝利。
アウェイ2連戦を終えた鹿児島ユナイテッドFCは7月9日、ホーム鴨池に福島ユナイテッドFCを迎えた。
選手入場後には有田光希のJリーグ通算300試合出場記念セレモニーが行われる。
有田と家族の記念撮影の背後には中原秀人、五領淳樹、牛之濵拓、そして薩川淳貴が懸命に映り込んでいる。
もともとは他の選手に対して有田やキャプテン広瀬健太がはじめたことを、本人がやり返されている。
そんなほほえましい光景から試合がはじまる。
鹿児島は右の五領、左の米澤令衣、そしてトップ下に入る牛之濵拓たちを中心に福島相手にチャンスを作り続ける。

16分、右サイドから星広太がゴール前へ浮かせたボールが福島ディフェンスでコースが変わったところを、牛之濵が収めてペナルティエリアに侵入してシュートを打つ。
さらに跳ね返ったところをもう一度シュートするがゴール前を固めた福島にクリアされる。

19分、早くも3本目となる右のコーナーキックを、五領が近くに立つ木村祐志にあずけ、リターンを受け取る。
クロスを警戒してゴール前を固める福島。
そこへ五領は左足を振り抜き、強烈なシュートを打つ。
ブロックに入った福島守備に当たってコースが変わり、そのままニアサイドに決まって鹿児島が先制する。
「1本目2本目は中の選手に合わせるイメージでした。ただ監督からちょっとシュート狙ってみろと声をかけられていて、カットインも含めて狙っていたし、木村選手もこのコーナーの前に”ファーサイドを狙ったら?”と言ってくれたので思い切って打ったら、ニアに入ってくれました。打ってみないとわからないなって痛感しました(五領淳樹)」

福島もボールを動かしながら前進し、チャンスをうかがう。
29分、鹿児島ゴール前でクリアしたセカンドボールを拾われ、後ろに戻されたところから強烈なミドルシュートが飛ぶ。
GK白坂楓馬が弾いたところに、福島の選手が殺到する。
リバウンドをキャッチしようとした白坂の前に福島の選手が押し込んで1-1、同点。
「不用意な自分のミスで先制点を不意にする同点ゴールを許しました。あの失点は防げるし、防げないといけないものでした」と白坂が悔いる一方で「セカンドボールを拾われて打たれる形があったなかで1本が失点になりました。あそこをしっかり寄せることはもっと突き詰めないといけません」と五領たちフィールドプレイヤーも課題を抽出している。
さらに41分、CKをファーサイドで合わされるが、これは外れて事なきを得る。
45分、中原と牛之濵のパス交換から中原が、左外を追い抜く薩川淳貴をオトリにゴール前へ入れたボールを米澤がヘディングで合わせるが、福島GKの好セーブにコースを変えられる。

ハーフタイム、白坂に対してチームメイトたちから「切り替えろ」という声がかかる。
そして後半に入る前に円陣を組む。
「もう1点だけお願いします、と伝えました。そして後ろの(岡本)將成たちにもう1回協力して守備頼むという話をしました。もう絶対にゴールを割らせることだけはさせないと思ってずっと準備していました(白坂楓馬)」

後半もお互いに好機を作る。
59分、福島は右サイドの突破から中央への折り返しで、ペナルティエリア内からフリーでシュートを打たれるが、白坂が足で弾き出す。
「立ち上がりしっかり自分たちで圧力をかけて攻撃から入って良い前半を終えましたが、ちょっとしたところで相手の時間でリズムが悪い時にやられました。そこは修正できて後半に入ったと思いますし、そこに対して選手たちが少し目つきを変えて、自分たちのホームで勝つことへの強い意識がありました(大嶽直人監督)」
60分、トップ下の牛之濵に変わってロメロ フランクが、右の五領淳樹に変わって圓道将良が左サイドへ送り込まれ、米澤が左から右へとポジションを移動し、点を取りに行くという明確な意思を大嶽監督は示す。

直後、右に移ったばかりの米澤へ星があずけて、米澤は中央から寄ってきたロメロへ、ロメロはダイレクトで外を走る星へ。星がゴール前に入れたボールはクリアされるが、軌道にいた福島選手の手に当ってハンド。
PK。
米澤がボールをセットする。
「自分が蹴るのは(前回得たPKを蹴っていた)有くんと話して決めていたので、すぐにボールを取りに行きました」

わずか11メートル先のゴールに、遮るものはGKのみ。
PKは高い確率でゴールが決まるが、確定していることではない。
外しても失点にはならないが、選手だけでなく応援する側も含めて「1点取り損ねた」精神的なダメージが大きい。
だからこそ、その責任を背負うキッカーには正確なキック精度以上に、精神力が求められる。
スコアは1-1。
会場は緊張に包まれるが米澤は落ち着いていた。
「緊張はしていないです。集中していました。前日のPK練習でもうまく入っていて自信があったので、思いっきり蹴るだけでした」
米澤が蹴ったボールは、GKも同じコースに飛んだが、勢いよくゴール左隅に突き刺さる。
米澤は咆哮しながらベンチのメンバーたちに駆け寄り、チーム全体で勝ち越し点を喜ぶ。

最後方から待望の勝ち越し点が決まるところを眺めていた白坂は米澤を称えた。
「PKって外すこともありますけど、それはPKを蹴る勇気を持った選手だけです。あれだけ緊迫したなかでしっかり決めきってくれた(米澤)令衣のメンタリティはすごい。感謝しています」
鹿児島は集中力を切らすことなく戦い続ける。
70分、福島FWが裏に抜けて、井原伸太郎にマークされながらも打ったシュートは、コースをしっかり読み切っていた白坂が弾き出す。

75分、右サイドでのパス回しからスルーパスを出され、シュートまで持ち込まれるが、白坂が全身でブロックし、井原がこぼれたボールをすばやく蹴り出す。
86分、福島陣内でボールを奪われた米澤が、即座に守備モードにスイッチを切り替えて粘り強く相手をマークし、こぼれ球がゴールキックになりそうなところをスライディングでタッチラインに逃れるスローインにして、会場から大きな拍手が送られる。

89分、左サイドから突破されるが岡本將成がフリーでシュートを打たせないよう懸命に食らいつき、こぼれたボールを白坂がクリアする。
直後の91分、その岡本がグラウンドに横たわり、そのままタンカでピッチの外へ運ばれる。
5人の交代枠を使い切っていたので、代わりの選手を投入することはできない。

残り時間10人で戦う鹿児島は、自陣を固め、福島の攻撃を跳ね返し続ける。
お互いに声をかけ合い、フリーの選手を作らないように穴を埋め続ける。
一瞬の緩みが致命的な失態になりかねない苦しい状況にも、鹿児島の選手たちはスキを見せない。
セットプレーの流れからペナルティエリア周辺でのクリアを続けた97分、相手からボールを奪った米澤がタッチラインに蹴り出す。
高々とホイッスルが鳴る。
90分+アディショナルタイムを攻守に戦い抜いた米澤、井原、薩川、白坂たちが相次いで地面に膝をつき、倒れ込む。

「福島さんが攻め込んできていたので、守備の時間が長くなりましたし、最後1人少なくなって10人で戦うことになりました。それでも自分も後ろから危ないところのコーチングをしましたし、なかでも木村選手や米澤選手がピッチ内で”ここ集中だぞ”という声を出し、隣同士でも助け合う声が出ていました。最後1人少ない中でも勝てたことはとても大きな1試合になったと思います(白坂楓馬)」
鹿児島が、2-1で勝ち点3を手にした。

引き続き7月17日はホーム鴨池にSC相模原を迎える。
リーグ折り返しとなる試合は、星広太にとっては過去2年間プレーした古巣戦だがあくまで自然体で迎える。
「相模原は古巣ですけど、負けたくない気持ちはもちろんありますが、目の前の一試合、いつも通り挑みたいです。正直監督も変わって選手も入れ替わって印象も変わりましたが、知っている選手はいて特徴は分かっているので、うまく対応できたらと思っています」

16節を終えて首位という状況にも木村は平常心で一日一日を過ごしている。
「色々な相手がいますし、今は一番上にいますが、そこで自信が過信にならないように。しっかりチャレンジ精神を持ってひたむきに謙虚にやることが大切です。それがなくなるとすぐバラバラになるので、自分が一番年上なので練習から引き締めていこうと心がけています。試合になると色々な展開がありますが、色々な状況に応じてやっていくのがサッカーで、楽しさと魅力なので、みんなで楽しみながらやっていきたいです(木村祐志)」
シーズンが深まるとともに選手のコンディショニングは難しくなってくるが、木村は「日々のトレーニングから、1人1人がひたむきにサボることなくトレーニングしています。誰がいなくなっても問題ない状況は作れています」とチームの総合力に自信を抱いている。
順位やチーム状況などは、試合になってしまえば関係ない。
選手もスタッフもサポーターも全員が気持ちと力を合わせ、ONE TEAMでSC相模原という強敵を迎えるONE GAMEに挑むだけだ。
そして勝ち点3を積み重ねる。

コラムOneTeam,OneGame vol.04
スペシャルマッチスポンサーはスタジアムの中心でユナイテッド愛を叫ぶ

エヌ・ケイ・カスタマイズの代表取締役の久保健一郎さん(前列左から3番目)と社員の皆さま

7月9日のホーム福島戦を終えた週明け、スペシャルマッチスポンサーを務めてくださった株式会社エヌ・ケイ・カスタマイズの代表取締役である久保健一郎さん以下スタッフの方々は、事務所にユナイテッドの担当営業を迎えてイベントの振り返りや実施した抽選の事後対応などを打ち合わせていました。
そして話がひと段落したところで、ご自身とユナイテッドについて話をしてくれました。

奄美市に生まれ育った久保さんは、システムエンジニアとして働くかたわら、実は地域リーグ時代から鹿児島サッカーを追いかけていました。
九州リーグ13シーズン9度の得点王に輝いたレジェンド西眞一さん(現フューチャーズ総監督)が現役を終えようとしていた頃。
観客は100人台のそんな時代。
それからシステムエンジニアとしてどんどん多忙になっていった久保さんはスタジアムから足は遠のいていきますが、それからも田上裕(現応援リーダー)が選手兼監督を務めるFC  KAGOSHIMAや、鹿児島実業を全国制覇に導いた赤尾公(現アカデミーサブダイレクター)が牽引するヴォルカ鹿児島のこともずっとネットで気にかけてきました。
そんな2チームが鹿児島ユナイテッドFCとなり、JFLに挑戦することに高揚し、好きな選手だった浅野哲也が監督に就任して、ついにJリーグ入りを果たします。

Jリーグ入りしてからもなかなかスタジアムに足を運ぶ機会は得られませんでしたが、2018年11月25日、本当に久しぶりに鴨池に足を運ぶ時がおとずれました。
そこで久保さんたち10,916名の大観衆は「UP to J2」のコレオグラフィーを作り、ピッチ上では野嶽惇也(現大分トリニータ)が右サイドを突破して入れたクロスを中原秀人が左足で合わせてJ2昇格を決めます。
スタジアム中が歓喜に包まれた光景は、実はそのころ体調を崩して苦しい思いをしていた久保さんにとって、一気に立ち直るきっかけになった出来事でした。

このクラブに恩返しをしたい。
2019年5月1日、令和初日に株式会社エヌ・ケイ・カスタマイズを起業した久保さんは早速クラブサポーターとなります。
もともとはブロンズに申し込む予定が、最初から会社の経営が軌道に乗ったのでゴールドに申し込まれたそう。
そして久保さんはどんどんユナイテッドにのめり込んでいくことになります。

2019年4月21日、ホームでのFC琉球戦は終了間際に五領淳樹が左足で叩き込んだ決勝点に大歓喜!
今もこの試合のハイライトを時々見返しているほどのお気に入りです。

2019年5月26日、アビスパ福岡とのホームゲームはエキサイティングシートで観戦しました。
0-1で負けている終盤に、あの田上裕がJ2のピッチに入り、、、久保さんの涙腺は崩壊してしまうのです。

2019年6月22日、栃木SCとのホームゲーム後半、あの赤尾公がJ2初ゴール!
さらに真っ先に駆け寄ったのが田上裕、、、ここでもスタンドで見守っていた久保さんの感情メーターは振り切れてしまいます。

夏の法人サポート交流会では奥様の友人と遭遇したり、砂森和也選手が親しく話をしてくれたりして、さらにユナイテッドにハマっていきます。
2019年11月24日、J2最終節、アウェイでのアビスパ福岡戦に敗れてJ3降格が決まる試合はDAZNで家族と観ながら、、、時が、止まったようで、、、魂も、抜けたようでした。

しかし、シーズン終了後の法人サポート交流会では同じスポンサー企業の皆さまから「降格したとしてもサポートすることに変わりはない」という言葉が次々と発せられ、久保さんもこのクラブとともに歩んでいく想いをさらに深めるのです。
2019シーズンのゴールドから翌2020シーズンはプラチナに増額、2021シーズンから横断幕掲出という形でオフィシャルスポンサーとなります。

そして経営者としても会社ぐるみでクラブを応援していきます。
2021シーズンから始まった、職場でユナイテッドのウェアを着用する「UNITED FRIDAY」の企画には「とにかくいの一番にやろう」と参画を決めました。

さらに本来はホームゲーム前の週末限定の企画なのに、アウェイ戦でも構うことなくユナイテッドのシャツを「会社の制服として」着用します。
技術職も相手企業のところへネイビーのシャツを着たまま出向き、街なかでもスタッフが着て歩いたり、「関係者ですか?って聞かれるんですよ」「選手ですか?って聞かれましたよ」と同席した方々も笑っています。
社員との集合写真をSNSにアップして、ホワイトボードには娘さんが描いたイラスト。
やるならみんなでとことん乗る。
そんな活気に満ちています。

そして2022年7月9日、福島ユナイテッドFCとのホームゲームは「エヌ・ケイ・カスタマイズ」の特別協賛試合となりました。
なぜ法人相手の商売をしているBtoB企業がスポンサーとなり、冠試合をするのでしょう?
BtoC、消費者つまりサポーターになにかを買ってもらうわけではない企業がなぜ?
「鹿児島での知名度を上げたいとは思っています。そう考えた時に鹿児島で5,000人以上集客できてアピールできる媒体として、広告としても見ているんです。今回のスペシャルマッチについてはサポーターから”エヌ・ケイ・カスタマイズって何? 聞いたことない”って思われたら勝ちです。そして“エヌ・ケイ・カスタマイズ”を検索して調べてもらえたらもっと勝ちです」
1人のファンとしての想いがあり、経営者としての冷静な判断もありました。
実は久保さんは経営者として迷いもあったそうですが、小中高校の同級生でもある取締役の沖田さんたちからの後押しで「やらないで後悔するなら、やって後悔したほうがいい」と、あまり多くないBtoB企業としてスペシャルマッチスポンサーに挑むことにしたのです。

やるとなれば会社のみんなでとことん。
久保さんご自身も「企画を立てるのが好きなので」とどんどんアイデアを投入していきます。
うちわの配布、ハンドメイドアクセサリー(riricocoさん)の販売、会社として注力しているアプリ開発ソフト「Claris FileMaker」の相談会、、、さらに「FileMaker」については選手のサイン入りグッズ抽選の当選者を決定する際にも独自アプリを組むことでデモンストレーションにする遊び心を込めました。

さらにさらに福岡からヒーロー「ドゲンジャーズ」を鴨池に呼んで、場外ステージやハーフタイムショーに出てもらいました。
当日のイベント会場、噴水前の「ユナステージ」ではJリーグの野々村チェアマンと徳重剛クラブ代表のトークショーの後にも、まったく減らない人の数、スマホを構える人の数。
「ドゲンジャーズきっかけでもいいからユナイテッドの試合を観に来て欲しい。ユナイテッドきっかけでドゲンジャーズのことを知って欲しい」という久保さんの狙い通り、はじめて観戦してサッカーの迫力を知った方々もいらっしゃったのです。
逆に妊娠出産以来スタジアムから遠ざかっていた若いお母さんが、ドゲンジャーズきっかけで久々に鴨池へ足を運んだり。
ピッチ外も大いに華やいだものになりました。

そして試合前のあいさつ。
スタジアムの中心でユナイテッド愛を叫ぶように訴える久保さんの言葉が、スタジアムに集まった5,000人以上の観客に響きます。
「長くなってしまって」と久保さんは恐縮していましたが、サポーターは、まさに応援する人たちの想いを代弁するかのような久保さんのあいさつに聞き入っていましたし、速やかに次のPKが蹴れるように準備していた沖田さんもきれいな弾道のシュートを決めて、試合前に会場は最高の雰囲気になりました。

キックオフ。
試合を凝視していた久保さんは五領淳樹の先制ゴールにも「内容的に押している感じはないし、まだ点は動くかもしれない」と予感していました。
そして1トップを中心に福島の躍動的な攻撃で同点に追いつかれます。

悪い時間帯に失点したという苦味、それでもハーフタイムではドゲンジャーズが会場を華やかに盛り上げてくれます。
後半、お互いにチャンスが行き交う攻防が繰り広げられる中、鹿児島がPKを獲得。
米澤令衣がペナルティスポットにボールをセットして、蹴るまでの時間。
久保さんの周囲にいるサポーターの誰もが祈るように両手を握っています。
久保さんは、、、怖くて見ることができません。
静かなスタジアムに主審のホイッスルが鳴る。
米澤が蹴る。
静寂が破れ、スタジアムが大音響に包まれる。
「ホッとしました。本当は声を出して喜びたいところでした」
終盤、鹿児島は福島の猛攻を受ける時間が続きますがそれも耐えしのぎます。
「この試合に勝てるのか、引き分けるのかで何かが変わりそうな気がしました。ここ数年、こういう場面で追いつかれる、あるいはアディショナルタイムで逆転されることもありました。それでも勝ちきって、成長しているところを見せてもらいました」

今シーズンここまでホームで負けなし、6連勝中だからこそ「自社が冠スポンサーの試合で負けたら」という不安もあったそうです。
たとえ敗戦したとしても冠スポンサーのせいだと考える人なんて存在しないとしても、やはり独特の責任感がともなうのかもしれません。
もちろんもっと早い時間にリードを広げて楽な気持ちで観たいという思いはありつつ、でも「鹿児島の人たちはヒリヒリするゲームが好きなんだろうなって思います。みんなと振り返っていても話に出てくるのはホームで2点差から逆転した(2019年8月の)愛媛FC戦とか、(2020年12月の1-4からひっくり返した)ガンバ大阪U-23戦の劇的逆転勝利とかばかりです。逆に3-0で快勝した試合とか話題にも出てきませんから」。

過去最大級に多くのライバルがひしめく今シーズンのJ3で、16試合を終えて首位という状況に「ここまで良すぎていいのか逆に不安になります」とおっしゃったところで「久保さんが考える昇格に必要なこと」をたずねてみました。
「観に来たことがない人がもっと観に来る環境じゃないかなって思います。この前の試合が約5,000人。“滝行”(大雨に見舞われた6月5日の沼津戦)で2,280人だから2,500人くらいがコア層として、はじめて(あるいは馴染みの薄い)人が同じくらいの数で5,000人だったのだと思います。そういう人たちが3,000人になり4,000人になっていくことが大事なんじゃないでしょうか。入場料収入が増えれば、様々な選手を獲ることや環境整備にも活用できますし笑」

実はエヌ・ケイ・カスタマイズの企業招待がきっかけで、ユナイテッドの試合をはじめて観るという方も多くいらっしゃいました。
久保さんたちはそういった方々にも週明けに連絡をして、試合の感想を聞いていました。
全体的な満足度は高かったし、スタッフのがんばりも認めつつ「もう少し初心者に優しい環境であって欲しい」という招待者からのフィードバックを細かく伝えてくれました。
運営する側にとって簡単ではないことは理解しつつ、あえてそういう声を届けるところから社名に「カスタマイズ=利用者に合わせる、直す、特注する」を掲げる久保さんの、お客様や従業員を大切にする人柄がにじみ出ています。

最後に「5年後10年後のユナイテッドにどうなっていって欲しいか」をたずねると2つの目線で答えてくれました。

1つ目、サポーターとしては福岡にとってのソフトバンクホークスのようになって欲しい。
つまり南日本新聞には毎日のように記事が載る、どのテレビ局にも応援番組がある。
タクシーに乗ったら聞いてもないのに「今3-1だよ」と勝手に途中経過を教えられる。
そんな存在になって欲しい。

2つ目、スポンサーとしてはビジネスとして利用しがいのある存在であること。
スタジアムへラウンジに行くようにお客さんを連れて行って、いっしょお酒を飲んだり席に届けてもらえるスタジアムグルメを楽しんだり、いっしょの空間でサッカーの試合を観ながら盛り上がり、ゴルフのように合間合間で仕事の話をしたりして、広告費だけでなく経費としても予算を投じられるような、そんな存在。
世界の先端はその方向に向かっていますし、限られたビジネスパーソンだけでなく、家族やカップルや友人が特別な1日を過ごす場にもなっています。

まだまだ鹿児島ユナイテッドFCがやらなければならないこと、克服しなければならない課題は無数です。
そんなクラブに対して久保さんは「サポーターとしては満足していて、スポンサーとしてはもっとやれることがあるように見える」と言いながら「今が完成形じゃなく、1年1年なにかができる過程を見れる」と今この瞬間瞬間を楽しんでくれています。

久保さんのユナイテッド愛あふれるエピソードトークはご家族のこと、従業員のこと、数年前のこと、つい最近のこと、まさに縦横無尽。
尽きることがありません。
ユナイテッドを愛する皆さんと同じように。
これから残りシーズン、観客席のどこかで熱い眼差しで試合を観ているであろう久保さんたちエヌ・ケイ・カスタマイズも含めてONE TEAMで、目の前のONE GAMEを戦っていきましょう!

追記

第17節のスペシャルマッチスポンサーは「タイヤ安売り王BEE LINE」。
ユナイテッドの他にバスケットの鹿児島レブナイズや電動車椅子サッカーのナンチェスター・ユナイテッドを支援するなどスポーツ振興に力を入れている企業です。
さらに姶良市総合運動公園のネーミングライツを購入し、公園全体は「ビーライン スポーツパーク姶良」に。公園内の人工芝グラウンドは「ビーライン フットボールセンター姶良」となるほどの情熱ぶり。
こちらにもご期待下さい!

田上裕の対戦相手を勝手に分析!のコーナー

SC相模原は4勝2分10敗で15位ですが実力あるメンバーがそろいます。
フォーメーションとしては4−4−2と3−4−2−1を相手によって変えているけど、4−4−2と予想します。
点数をコンスタントに取れているチームです。
チーム得点王の加藤拓巳選手は6月に清水エスパルスから加入していますが、7試合で4得点1アシスト、ごつくて突進力破壊力があるので注意です。
またベテランで技術もある船山貴之選手、藤本淳吾選手も2点ずつ取っています。
左サイドハーフの安藤翼選手はスピード、技術、正確なクロスを備えますし、1人でGKからボールを受けてカウンターを仕かけることもできます。
前2枚とサイドの選手は警戒が必要です。

さらにセットプレーで船山選手と藤本選手のキック精度が高く、直接狙うもあり、CKからも決める強さを持っているので、簡単には与えたくありません。
そして面矢行斗選手のロングスローも精度があるので、高い位置でのスローインもできるだけ与えないように気をつけなければならないでしょう。
鹿児島の攻撃としてはボールを奪った後に切り替えを早くすることと、2列目から飛び出していくことと、正確なクロスを入れられるかが重要です。
またミドルシュートを打つチャンスも活用できるか。
この辺に注目して欲しいです。
(7月11日配信クラブ公式YouTube番組「きばれ!ユナイテッドステーション」より)

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